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「無調の哲学」

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「体系は 小人たちの ためのものである。 偉大な 人間は 直観をもっている。 彼らは 心に浮かぶがままの 数字に 賭けるのだ。 ・・・・ 彼らの 直観の方が 貧乏人たちの 手間のかかる 計算法などよりも、 よほど 頼りになる。 こうした計算法は、 徹底的に 調べつくす ということが できないために、 いつもきまって 失敗に終る。」  ハインリッヒ・レギウス   「アドルノ」 岩波現代文庫 81ページより  https://www.youtube.com/watch?v=UuUTGvXNKJg  

「違法」とは何か? メモ書き

質問: ふと疑問に思ったのですが、刑法は全く勉強したことがないのですが、刑法上違法な行為、というのは想像がつくのですが、民法、あるいは行政法において、「違法」とはどういうことでしょうか?   K先生からのご回答: 民法上の「違法」はいわゆる「不法行為」を含みます。民法709条以下です。明文に違反してなくても、他人の権利を侵害するような行為は「違法」認定されます。 行政法は・・・ 国家賠償法上の「違法」は、先の民法上の「違法」に準じた考え方で「違法」の有無が判断されることもありすが、行政争訟上の違法はこれとはまた違ってきます。刑法上の「違法」と似たところはありますけど、完全に同じではないかなぁ~   質問: 例えば、道路交通法は行政法に属するかと思いますが、道路交通法に違反することは、「違法行為」でしょうか?それとも、道路交通法は刑法上の概念ともダブるのでしょうか?   K先生よりご回答: 道路交通法は違反した場合、罰則を課すことが多いので、そうした場合は刑法上の違法ということになります。 行政法上の違法というのは私人からみて行政がわが公権力行使の違法を問うという文脈で「違法」が問題になります。 刑法上の「違法」は既存の刑事法令への違反のみが問題になるのに対して(ほうりに違反しなければ何をしてもかまわない)、行政の側は既存の法令に違反する場合だけでなく、法令の根拠なしに行った行政作用が「違法」なることがあります。(法律の留保)   質問: 刑法というのは、 主に私人に対する制裁という ことになろうかと思いますが、 (控除説に立てば) 刑法を適用する主体も また 行政権に属するものであり、 三権分立の精神に鑑みれば、 まず思い浮かぶのは、 司法権が 行政権の濫用に 歯止めをかけることであり、 また、 立法権という観点から見れば、 国権の最高機関たる 国会において、 国民からの 信託に基づいて 代理人たる国会議員が立法行為を行う、 ということに なろうかと思いますが、 現実問題、 行政法規を 国会で議論しているとも思えず、 手っ取り早くいえば、 行政権の肥大化と、 その暴走が懸念される ところではないか、 と考えます。 そうであれば、 私人が 行政権の権限踰越に対して 抑止力を持つためには、 ...

「海と帝国ー明清時代」 上田信 講談社学術文庫

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去年読んで めちゃめちゃ 面白かった本のひとつ。  

「戦後世界経済史」 猪木武徳 中公新書 

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を読み始めました。 そろそろ乱視がキツくなってきた。 非常に読みやすいです。 内容もしっかりしている。 こういう類の本って、 良書がなかなかない。 ざっくりと 戦後世界の経済史を 把握する、というだけでも 相当の力量が必要。 だから、得てして 史実を列挙しただけの無味乾燥な 話になるか、あるいは 眉唾ものの 煽り本になったりしてしまうのだが、 これは 著者の猪木武徳氏が その 力量をいかんなく発揮されている。 素晴らしい。 まだ読み始めただけですが、 これ一冊読み通したら、 かなり 力がつくと思う。 ・・・すげえ。 これは面白い。 淡々と叙述されてはいるが、 もの凄いことだ。 歴史的名著とさえ言える。 この 猪木武徳氏も、あまり知られた 存在ではないけど、 経歴はダテじゃない。 1945年生まれ。 京大経済学部卒、 MITで博士号。 現在 大阪大学名誉教授。 ・・・これは凄いわ。 ほんと凄い。 ビビるわ、マジで。 これが税抜きで 1,000円切るんだからね。 (本体価格 940円) 日本の出版業界も 捨てたもんじゃない。 ・・・ほんっとビビるわ。 細かいエピソードが ちらほら散りばめられているんだが、 よくまあそんなこと 知ってんな、と ほんと脱帽せざるを得ない。 ・・・これは凄い。 ほんとうに凄い。 こんな本があったのか?! というレベル。 ・・・とりあえず 読み終えた。 正味2日間で、一気読み。 飛ばしたところも多々あるが、 押さえておいて欲しい 論点は、すべて 漏らさず記載されていた。 大満足。 ( ´∀`)  

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 J.D.サリンジャー 村上春樹訳 白水社

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読み終えた。 素晴らしい作品だった。 いま悩んでる 現役の 中高生でもいいし、 あるいは 子育てに悩んでる 親御さんでもいいし、 とにかく 思春期の難しさに 手こずっている すべての人に 読んで欲しい作品です。 自分自身、内面ではこれくらい 危なっかしい時期もあったなー、と 感慨深いです。 文学ってのは いいもんだ。 なんといっても、我々ひとりひとりが 生身の人間なんだからね。 こうやって 懐かしくも 過去のこととして語れる、というのは 難しい時期を乗り越えた 大人の特権なんだろうな、と思う。 https://www.youtube.com/watch?v=y4vzWSzNqZ0  

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 J.D.サリンジャー 村上春樹訳 白水社 

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まだ全部は 読んでないけど、 野球で言えば 9回の表くらいまでは 来たかな。 ほんと、いい物語だった。 半分ぐれーてる 武蔵生とかに 読ませたい。 あるいは、子育てに 悩んでる 親御さんとか。 俺も、高校生の頃 内面はこれくらい 危なっかしかったなー、なんて 思うわ。  

「やさしい経済学」ー金融が支配する世界ー 増補

今 連載中の 小倉将志郎 中央大学准教授の 「金融が支配する世界」 は 素晴らしい。 そう、そこ! と 膝を打ちたくなる。 以下、連載第4回より 「一方、家計の 経済活動以外の側面は、 主に 欧米で研究が進展しており、 日常生活にも 『金融的計算』が 組み込まれているとされます。 金融的計算という表現に 定まった 定義はありませんが、筆者は キャッシュフローを生み出す 取引可能な存在を、 量的に評価・把握し、 最適な状態に管理 しようとする姿勢と 捉えます。 その直接・間接の対象は 教育、文化、余暇など多岐にわたり、 社会の あらゆる対象が 市場価格を持つことが 前提とされるのです。」

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 J.D.サリンジャー 村上春樹訳 白水社

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これはねー、 永遠の青春小説だね。 16くらいの 男の子を育てている お母さんあたりに、 ぜひ 読んでもらいたいね。 息子の頭の中が どうなってるのか、 結構 わかるから。 特に、子育てに 悩んでる、なんて場合には。 まだ全部読んだわけ じゃないけどね。    

インタゲと増税はワンセット

自分が 経済学が 好きであると 同時に 文学や哲学が 好きなのは、 どっちとも 現世の人間が 対象だから。 経済学というと、 学者として 身を立てるには 複雑な数理モデルを 駆使しなきゃいけないんだが、 自分は 経済学っぽい 哲学に逃げてるんだけど、 でも、 結局は 経済学も、文学や哲学と 同様に、 現世を生きる 人間を扱っている。 つまり、経済学 というと、難しく 感じるけれど、 経済学が想定しているのは、 そこそこ 合理的だけれども、 本来は 経済学なんて全く知らない人が どういう (ある程度合理的な) 行動を取るか、っていうことだ。 だからこそ、 経済学はいまだに 文学や哲学と 繋がりが深い。 それで、と ここからは 少しだけ 専門的な話になるけど、 インフレになれば 賃金があがる、という 前提で インフレーション・ターゲティング政策を やったわけだが、 現実問題 インフレにはなったが、 名目賃金の伸びは 追いついていない。 ここらへんは 議論が錯綜するところだが、 そもそも インフレになったから 賃金があがる保障なんて、 根拠が薄い。 いま日本全体が 名目賃金をあげるって 大号令かけてるけど、 いくら企業が 従業員の賃金をあげた ところで、それは 単純に 三面等価の原則でいうところの 分配の話であって、 言い換えれば 所得の再分配をしているだけなのだ。 つまり、 経済成長していないのに、 所得の再分配をしただけでは、 あまり意味がない。 結局は、 バラッサ・サムエルソン仮説が 提唱するように、 付加価値が高い 財を輸出することで、 だんだんと 労働者全体の 賃金があがる、というのが 経済学的にいえば 本筋なのだ。 つまり、経済学に 魔法の杖はなくて、 経済成長をすれば、自然と 賃金があがる、という ある意味 常識的なことが 導き出される。 もう少し敷衍すると、 インタゲをやって、実際に インフレになったら、 (それが経済成長を伴わない場合、) 生活が苦しくなったぶんだけ、 減税やら 政府支出を増やすなり せざるを得なくて、 そうすると、財政が悪化するから、 最終的に...

「不道徳的倫理学講義ー人生にとって運とは何かー」 古田徹也 ちくま新書

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疲れたあなたに おすすめです。  

武蔵を辞めんと欲す

俺は 武蔵を本気で 辞めようと していた時期がある。  父親に、辞めさせてください、と 土下座したが、 父親は 不愉快そうにタバコを ふかすだけだった。 苦虫を噛み潰したような 渋面をしながら。  その後ろでは、 母親が困り果てた顔を していた。 https://www.youtube.com/watch?v=WM8bTdBs-cw

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 J.D.サリンジャー 村上春樹訳 白水社 

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J.D.サリンジャーの作品ですね。 「ライ麦畑でつかまえて」のほうが 人口に膾炙してますね。 またしても 村上春樹訳です。 出版が 白水社ってとこもいいよね。 地味だけど 良い本を出します。 と、いうか 村上春樹訳の作品なので、 買いました。 税抜きで880円です。 初っ端から ハルキ節 全開ですね。 なかなか いいもんですよ、 文学って。 ・・・いま3月4日 午前03:10頃です。 なんだかんだ 読んでるうちに 第4章(?)の手前まで 読んだ。 やはり、読ませるね。 村上春樹は。 とりあえず 一晩でこれくらい読めば 十分だろう。 ・・・3月4日 午後16:45頃です。 すげえな。ほんとに雪降ってきた。 まあ、冬だから、こういう日もなくちゃな。 しかし、3月にもなって 遅ればせながら雪なんて降るのか。 えーと、第4章までは読んだ、と。 「ライ麦畑でつかまえて」っていうタイトルから 想像する内容とは まったく違ったな。 今のところ普通の学園生活。 まあすげえ読みやすいわ。 ・・・爆睡した。 日付け変わって、3月5日 水曜日。 午前00:15頃です。 第5章までよみおえた。 だんだん、書き言葉まで 村上春樹っぽくなりそうだ。 めちゃめちゃいい夢を見た。 あんまり中身については言えないが、 大学のクラスメートの女性が 超絶美人になってたりとか。。。 まあそんな夢だ。 たまにはこんな夢を見るんだな。 午前01:05頃です。 第6章までよみおえた。 こうやって小気味よく 章立てがされてるのも、読者には うれしいよね。 今のところ ほんとに普通の学園生活。 このホールトン、じゃない、ホールデンて 主人公は、後輩のKというやつに そっくりだね。 このホールデンがいつ退学するのかは知らないが、 後輩のKも、このホールデンみたいに 危なっかしいやつで、高校1年で 武蔵を辞めた。 ただ、文才があったらしく、 文筆業かなにかをやっているらしい。 午前03:15頃です。 第7章よみおえた。 まあ今晩はこんなところにしておこう。 確か1時間くらい前にクエチアピンを 服用した。 飲んでから1時間も経つと、 気にならないほど 完全に神経が安定...

「グレート・ギャツビー」 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹訳 中央公論新社 末尾より

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ギャツビーは 緑の灯火を信じていた。 年を追うごとに 我々の前から どんどん 遠のいていく、 陶酔に満ちた未来を。 それは あのとき我々の手から すり抜けていった。 でも まだ大丈夫。 明日はもっと 速く走ろう。 両腕をもっと 先まで差し出そう。 ・・・そうすれば ある晴れた朝にー  だからこそ 我々は、前へ前へと 進み続けるのだ。 流れに立ち向かうボートのように、 絶え間なく 過去へと 押し戻されながらも。  

やさしい経済学ー産業政策の意図せざる結果ー 島本実 一橋大学教授

木曜日から始まった コラムも 素晴らしい! 土日は このコラムは休みだから、 週明けの連載が じつに 楽しみだ♬ 最近 日経新聞も頑張ってる。 全10回の連載 すべて 読みました。 いやー、素晴らしい内容だったね。 戦中の 革新官僚の統制経済体制が 戦後も続いた、という 観点から出発して、 さまざまなケースを 例に挙げながら、 戦後の日本経済が 決して 官の保護主義的な 産業政策だけで うまくいった わけではない、ということが よくわかった。 貴重な情報でした。 ありがとうございました。