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10月, 2022の投稿を表示しています

八戸サテライトでの授業で触れられなかった部分を、資料を見ながらまとめてみました。

☆中世後期という時代(1) ・新しい思想的傾向の出現。ウィリアム・オッカムの唯名論 ・ローマ教皇の権威の衰退。教皇の「アヴィニョン捕囚」 ☆中世後期という時代(2) ・教会秩序を揺るがす異端者の出現。イギリスのウィクリフやボヘミアのフス。 ☆オッカムの唯名論(1)、(2) ・普遍概念の実在を否定し、普遍概念は個物の集合につけられた名前にすぎないという「唯名論」を主張した。 ・唯名論は、普遍概念の実在を否定するので、 個人のみが実在するという個人主義や、個物の観察を重んじる経験科学の流れに繋がってゆく。 ☆トマス・アクィナス対ウィリアム・オッカム(1) ・トマス・アクィナスは、神の知性の働きが、その意思の働きに優位するとし、神が或ることを欲するのは、それが善であることを知性で理解しているからだとした。つまり、神の意思は、その知性において成立している客観的な善悪に矛盾したことはなしえないとした。 ・人間の理性はそうした神の知性にある客観的な善悪に、人間本性の内に働く「自然法」を通じて与ることができるので、 人間にとっても客観的善悪に基づく普遍的倫理が存在することになる。 ☆トマス・アクィナス対ウィリアム・オッカム(2) ・これに対して、オッカムは神の意思の働きが、その知性の働きに優位するとし、神の意思が欲することはそれが何であれ、善であるとした。(イサクを神に捧げるアブラハム) ・つまり、 神の知性に由来する客観的な善悪などは人間にとっても存在しないことになり、ただ自分が「意志する」かどうかが重要になる。 ⇛トマス・ホッブズの個人主義などに繋がった。

「やさしい経済学」 大阪大学教授 堀井亮先生 より抜書き

高度経済成長期に 日本経済をリードしたのは 製造業でした。 しかし、 現在では 世界全体で製造業が GDPに占める 割合は下がり、 サービス業の 重要性が高まっています。 つまり、 海外技術を模倣して 大量生産するという方法で 成長するのは 難しくなったのです。

「金融と社会」回答その4

まず、私からの回答を読み間違えているようなので、その修正から。海外の国債や株式への投資は「金融収支」の黒字であり、「経常収支」黒字ではありません。将来、利子配当収入が増えれば、第一次所得収支の形で「将来の」「経常収支」黒字が期待されますが。 2022年上半期、貿易収支の赤字が大幅拡大し、経常収支黒字は縮小しています。しかしまだ黒字を保ってますので、国債消化に支障をきたすほどではないと理解しています。海外の利子率が上がると第一次所得収支が増加しますので、経常収支黒字を維持する方向に働くと考えられます。

「金融と社会」質問その4

1990年代以降、企業のグローバル展開が加速していくのに合わせて、国内では非正規雇用への切り替えや賃金の削減など、生産コスト抑制が強まりました。大企業はグローバル展開と国内での労働条件引き下げにより、利潤を増加させてきたのです。しかし、その増加した利潤は再びグローバル投資(国内外のM&Aを含む)に振り向けられます。そして、グローバル競争を背景にした規制緩和によって、M&Aが増加していきますが、これによって株主配分に重点を置いた利益処分が強まり、所得格差の拡大が生じています。また、国内の生産コスト抑制により、内需が縮小していきますが、これは企業に対してさらなるグローバル展開へと駆り立てます。 このように、現代日本経済は国内経済の衰退とグローバル企業の利潤拡大を生み出していく構造になっているのです。1990年代以降、景気拡大や企業収益の増大にも関わらず、賃金の上昇や労働条件の改善につながらないという問題を冒頭で指摘しましたが、このような日本経済の構造に要因があるのです。 新版図説「経済の論点」旬報社 p.129より つまり、日本の内需の縮小と労働市場の貧困化は、企業の海外進出と表裏一体であり、その見返りとしての、海外からの利子・配当などの、いわゆる第一次所得収支の恩恵として現れます。 https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s2_6.html https://jp.reuters.com/article/japan-economy-idJPKCN1QP0DX 円安バイアスが語られる文脈で、家計は資産を国際投資に振り向けることが推奨される傾向にありますが(2022/8/29 日経新聞15面)、放送大学「金融と社会」を担当されている、同志社大学教授の野間敏克先生に質問箱を通しておうかがいしたところ、家計が海外に投資したマネーは、経常収支の上では、黒字に計上される、との回答を頂戴しました。 しかし、そうすると、 財政と経常収支の関係から見た場合、仮に経常収支が黒字でも、それで(フローで見た場合)、民間部門の貯蓄が政府部門の赤字をファイナンスできない虞があるのではないでしょうか? あるいは 、既に日本は、国債発行にあたり、海外資本を導入せざるを得ない状況な...

近世ロシア史@東京文京(茗荷谷)

帰宅。 得るところ大なり。 ピョートル大帝の近代化のやり方が、 幕末明治の日本と同じなんだよね。 ああ、近代化って こうやってやるのね、 っていう、 ひな形を見せてもらった感じ。 日本より 100年くらい時代が早いけど。 ちょうど、後継者の、 啓蒙専制君主として知られる エカチェリーナ2世 が、時代としては 幕末期にあたる。 その「啓蒙」っていう 世界的な 時代精神を感じさせるね。 思わぬところで 近代化とはなにか? に対する 一つの答えを見せてもらいました。 良かった! (以下レポート。過去ログより。) 三浦雅士さんが「身体の零度」で論じた、戦争のための画一的で清潔な身体と、アドルノの記述した、個人の精神の物象化的同一性というのも、戦争がまた反面では工場における画一的かつ大量の生産体制を要求するものであることを考えれば、繋がりが見えてくる。 更には、核家族の中のエディプス三角形による去勢によって、労働・生産へのパラノイア的偏執への矯正もまた、〈近代〉の特徴であると言いうるのではないか。 漱石が愛に拘ったのも、それが資本主義に対する橋頭堡だと感じていたからではないか。しかし、「それから」において観念的抽象的な愛から、性愛的な肉感的な、具象的な感覚に投降した後においては、一層、資本主義化した社会の、歯車として生きていかざるを得ない我が身において、物象化を免れ得ない自身から抜け出よう、という足掻きに苦しんでいたのではないか。

癒やしの音楽

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日本では、医師としてノーベル平和賞を受賞した ことで知られるシュヴァイツァーですが、 優れたオルガン奏者としても 知られた存在らしく、 授業中に流された ヨハン・セバスチャン・バッハの 「トッカータとフーガ」の演奏に感銘を受けて、 購入しました。 神の国に誘われますね・・・ うーん・・・効くねー。。。 脳髄から緊張がほぐれる感じだよ。 たぶん世界のどんなリゾート地に行くよりも 癒やされる。 https://kotobank.jp/word/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%8F%A4%E5%85%B8%E4%B8%BB%E7%BE%A9-102961 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%8F%A4%E5%85%B8%E4%B8%BB%E7%BE%A9

ロイター

https://jp.reuters.com/article/column-tamaki-idJPKBN2RF0FE

キリスト教哲学の歴史@八戸サテライト

帰宅。 あれ、オレ信仰に目覚めちゃった? それはともかく、 あんな学識がある先生が、 辺境の私立大学で 冷遇されているのは、 いかにも惜しい。 単純に文系というだけで 冷や飯を喰わされる時代、 哲学で、さらにキリスト教 となれば、 かなり奉職されるのに苦労されたとか。 カントもヘーゲルも、キリスト教がわかってないと、 ほんとは理解できないってことは、理解した。 アツいやり取りしちゃったよ。 こっちがこんだけサーブ打ち込んで、 あんだけ瞬時にビシバシ返してくれる先生って、 なかなかいらっしゃらない。 まあ、ほんとにいい話を聴かせていただきました。 今学期の初っ端がこんだけ デカい場外ホームランだと、 これから先どうなっちゃうのよ? って感じだけど。 新幹線の八戸駅は、 八戸の中心市街地ではないようだけど、 寂しくなるほど辺鄙なところではなく、 かといって ウザいほど都市化されてるわけでもなく、 しかも 駅周辺ですべて事足りてしまう、 という、 出無精のオレにとっては理想的なロケーションだね。 サテライトキャンパスも、駅に隣接してるし。 空気も美味いし、 高崎から距離はあるはずなのに、 3時間くらいで着いちゃうし、 保養地としては最高。 メシも美味いし。 つっても、 食べたのは唐揚げだけで、 海鮮に手を出す余裕はなかった。 もったいない、とは思うけど、 予想はしてた。 別にグルメ旅しに行ってるわけじゃないし。

無聊を託つ

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暇だな・・・ 暇なら働きゃいいじゃん、 母親も、 何も言わず 一人で郵便局行けるほどに回復したし。 しかし、 俺が暇だから働く、 となれば、 母親はどうなる? 俺より暇じゃないのか? 暇だってそれなりに苦痛であることを 理由に、働こうかな、なんて言ってる息子が、 母親を放置していいんだろうか。 ん?でも俺って、実はそれなりに体力ついてきたんじゃないか? 連日エキサイトしてるのに、それなりに朝早く起きられるし。 睡眠の質もいいし。 ところで、最近また世間のマインドがデフレの方向に向かってる気がする。 テレビとかでも、いかに食事などを安く済ませるか、という内容が散見される。 母親も、飯尾和樹がワンコインで賢く食費を浮かせてて、偉いと言っている。 円安と資源価格高騰による コストプッシュ・インフレの影響と、 それでも企業の価格転嫁が進まずで、 結局、名目賃金が上がったとしても、 実質賃金が目減りしているから、 当然と言えば当然なんだけど、 そもそも 期待インフレ率を上げて、実質金利を下げることにより、消費を喚起することが インタゲの主眼目のはずだったのに、 これじゃ本末転倒じゃないか。 ただのスタグフレーション。 黒田日銀は、日本経済を永久凍結させる気か? 見方によっては、富の分配の偏りは、消費の低迷によって 国全体を貧しくする、ということも言えるだろう。 そもそも、少子高齢化が進めば、 老人の支出が減るのは当たり前だし、 働く世代だって、将来の社会保障が不安だったら、 消費を控えるのは当然だろう。 それは小手先のナントカノミクスでどうこうなるものではない。 政府はNISAを恒久化するなどで、なんとかマネーを投資に持っていこうと必死なようだが。 デフレマインドで唯一いいこと?があるとすれば、 家計が現預金を貯め込むことで、 結果的に日本国債を買い支える構図が維持されていることだろう。 尤も、その結果、政府に対する財政出動を要請する声が強まり、 財政の規律が緩むことは目に見えているが。 目下、日本でもインフレ率(CPIかどうかまでは知らない)が3%に達しているそうだが、 フィッシャー効果の想定する合理的な消費者像からすれば、 物価が上昇すれば、その見返りに名目金利が上がるはずで、 ...

もうどーでもえーわ。

原武史先生の授業で聴いたけど、 太平洋戦争で 絶対防衛ラインが 破られたとき、 昭和天皇の 弟である 秩父宮が、 戦争を止めろ! と 主張して、 昭和天皇と大喧嘩したらしい。 しかし、 二人の母親である 貞明皇后(大正天皇后) が、 勝てないのは お祈りが足りないからだ、 とかいう 完全に宗教モード入っちゃって、 昭和天皇のご意見など歯牙にもかけず、 昭和天皇は ただ 弟と母親の板挟みになるだけだったとか。 しかも、 軍人も、 昭和天皇をすっ飛ばして 貞明皇后からダイレクトに 下賜品なんかもらい出す始末。 もう 今の状況も どーしょもなさ加減が 同じレベルになってきたな。

キリスト教と負債観念

キリスト教は、 イエスの受難という 残酷劇を 負債観念として 人々に 植え付ける と同時に、 終末思想とのコンビネーションで、 繰り返し 緊張感を喚起することで、 結果として 社会の秩序を保つことに貢献してきたと言えるかも知れない。 こんなこと考えた アンチ・オイディプスの 著者はすげーな。 やっぱ フランス哲学は筋金入りだわ。 宗教にも平気でケンカ売る。