2022年5月24日火曜日

価格転嫁と消費者心理

企業物価と消費者物価の乖離が大きくなっていて、企業も苦しい戦いを強いられているが、最終製品への価格転嫁が、吉と出るか凶と出るかが企業業績の明暗を分けているようだ。もともと高価格路線の商品、例えばプリマハムの「香燻」のような商品を持っていたところは、値上げしても売上は大きく落ち込まなかったようだが、Jオイルミルズは値上げが凶と出た。製パン業最大手のヤマサキパンも苦戦を強いられている。もともと安価な商品で勝負していたところでは、消費者心理的に値上げに対するマイナスの反応が高いということも考えられる。長いデフレで、低価格路線に走ってしまった企業は、これから苦戦を強いられる可能性はあるだろう。もちろん、賃金上昇は当分かなり難しいことは論をまたない。 ただでさえ内需の縮小が企業の海外逃避を招いたことを考えれば、日本国内での収益力の低下の加速は、さらなる海外逃避を加速させるのではないだろうか。 マネーも同様で、歴史的円安水準は、当然円の購買力の低下を意味するものであり、本来は金利の上昇によってその埋め合わせが行われるはずが、それが抑圧されているために、リスク資産である株式に資金が流れ込むことも予想されるし、あるいは米国債を買うなどの投資行動も見られるようになるだろうと考えられる。

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