夢
最近、わりとマトモな夢を見る。
佐野日大の同級生が、夢に出てくる。
現実世界では縁が切れてしまったからだろうか?
やはり、自分のなかで、現実世界で「佐野日大」と「武蔵」が、陸続きであっては、負担が重すぎたのだろう。
だから、片一方が喪われてしまった以上、それがかえって都合のいい「憧憬を多分に含んだ故郷」として、追憶されてしまうのだ。
やはり、「佐野日大」から「武蔵」への飛躍は、己にとって「死の跳躍」だったのだ。
俺が武蔵を辞めたい、と言っていたのは、つまり、幻想を多分に含んだ故郷としての「佐野日大」に帰還したい、という(身勝手な)願望だったのだ。
しかし、それは現実の問題として、不可能だった。
俺はその時から、いわば精神のディアスポラを続けていたのかも知れない。
しかし、もう戻れない故郷とは別に、自分には既に、自力で確立した「ホームグラウンド」があるのである。
だから、追憶は追憶のままで、構わないのだ。
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