2026年8月7日金曜日

「いまこそハイエクに学べ」 仲正昌樹 春秋社 138,139ページ (再掲)

 


 

 ミーゼスは、それぞれが自分にとって最も効率的な選択によって自己の欲求充足を最大化しようと―市場での価格の動向を見ながら―模索する諸個人(=合理的経済人)の間で「交換」が行われる、という新古典派的な前提で「交換」を論じている。個人の計算的な「理性」を基準に考えていたわけである。

それに対して、ハイエクはここまで見てきたように、各人に合理的な行為をする能力があるから、「交換」をめぐる秩序を形成されるとは考えない。

長い進化の過程で生成し、集合的英知を凝集している「ルール」に即して各人が意識的・無意識的に行為するから、各個人や集団の「エコノミー」が相互に調整され、「秩序」が形成されるのである。

ハイエクの「カタラクシー」は、個人の「理性」ではなく、非人格的な「ルール」に基づく自生的秩序なのである。

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