ボードレールにとって、現代的な人間とは、自己自身の発見、自らの秘密および自らの隠された真理の発見へと向かう人間ではない。現代的な人間とは、自分自身を自ら創出する人間のことなのだ。現代性は、「人間をその固有の存在へと解き放つことはない」。現代性は、人間を、自分自身を作り上げるという使命に縛り付けるのである。(379ページ)(中略)<現在>のこうしたアイロニカルな英雄化、現実的なものを変容させるために現実的なものと取り結ぶ自由の戯れ、自己の禁欲的な練り上げ、ボードレールはそれらが社会自体のなかで、あるいは政治体のなかで 成立しうる、とは考えていない。それは、他の場所でしか起こりえないのであり、その場所こそ、ボードレールが芸術と呼ぶものなのである。(380ページ)
2026年7月18日土曜日
ボードレール 「フーコー・コレクション6」ちくま学芸文庫 より (再掲)
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