「政治学入門(’26)」質問と回答その1 待鳥聡史先生より

 質問:「社会主義が自由主義のなかに認めた、人間と人間とを疎遠にする傾向が強化されており、」という記述ですが、具体的に敷衍していただけますでしょうか。また、なぜ経済第一主義においては、そのような力学が働くのでしょうか。

回答:ご質問ありがとうございます。「人間と人間とを疎遠にする傾向」は、印刷教材の110頁の第二段落にある、マルクスの疎外論のことを指します。110頁から111頁にかけてのマルクスの資本主義批判について復習することをお勧めします。この点について学習したいのなら、田上孝一『疎外論入門』集英社新書、2026年が参考になるでしょう。

 なお、問題となっているのは、単なる「経済第一主義」ではありません。当該箇所の段落をよく読んでみてください。ネオリベラリズムは、単なる古典的自由主義への回帰ではありません。それは、政府(のような権力主体)が積極的に私的領域に介入して、人間関係を市場的な競争関係に変えていく試みだと理解することができます。つまり、経済の優先ではなく、すべてを市場化するという、政治的営みだということです。通常の意味での経済第一主義とは違うというこの点に関して、ネオリベラリズムについてご自分で学習してみてください。佐藤嘉幸『新自由主義権力と抵抗』人文書院、2026年が、参考になるかもしれません。

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