原典で読む日本の思想 (再掲)

  放送大学でタイトルの放送授業があって、いちおう一通り講義を拝聴したのだが、話としては面白いが、このご時世にこんなこと言って意味あるのかな、と正直思っていた。

しかし、今回の参院選、投票はまだ先だが、某新興保守勢力の台頭をみて、日本にはこれほど「保守層」がいて、ほんとに政治を左右するほどのボリュームがあるのか、と改めて驚かされた。

今までは、自分のイメージの中では、「保守層」というのは、日本会議に代表されるちょっと極端な人たちか、さもなくば「ネトウヨ」のような輩ばかりで、決して日本の政治を左右するほどの存在感があるとは、到底思っていなかった。

かくして、日本の(保守)思想とは何ぞや?ということで、上述した通り、講義は一通り拝聴したが、あらためて聴き直してみようと思う。

今学期は取得単位数ゼロがほぼ確実だが、来期はこの放送授業を科目登録して、単位取得を本気で目指したい。

・・・とりあえず第1回の講義を拝聴。

既に聴いたはずのお話だけど、目的意識を持って聴くと、がぜん面白い。

・・・山本太郎のインタビュー記事を見て、真面目に(保守)思想を勉強するのがバカバカしくなった。

もちろん、山本太郎と参政党の代表が直接かぶるわけじゃないが、どうせ似たようなもんだろ?

いちいち真面目に勉強して批判的に吟味するなどということ自体が、バカらしくなってくる。

・・・えーっと、昨日は昨日(2025/7/2)で、なんだかんだハイデガーがとか、もののけ姫がとかで、エキサイトしていたような気がする。あんま覚えてない。

で、せっかく時間もあるし、ネットサーフィンしてても不毛なので、第2回の講義を拝聴した。

実は相当おもしろい内容なんじゃないかと思えてきた。

これは凄いぞ。

井沢元彦氏の「逆説の日本史」は第9巻までは真面目に読んだが、あれも読んでから10年以上は軽く経っているが、たぶん相変わらず日本史学界からは異端視されているのだろうが、やっぱりあれはあれで、かなり重要なことを書いているように思われる。特に「日本人とは何か」を考えるうえで。

「逆説の日本史」の中で紹介されていたが(第何巻かは忘れた)、芥川龍之介の『作り変える力』(タイトルではない)が紹介されていて、結局西洋思想だろうが文明だろうが、果ては宗教だろうが、日本人は、なんでも「作り変え」て、いつの間にか同化させてしまうのだ、ということが、かなり否定的な文脈で語られていたのを思い出した。

そんなことを考えながら、この授業を拝聴していると、色々と思い出して、楽しい。

ここで、古谷経衡さんの論考を思い出したのだが、古谷さんによれば、参政党の支持者のうちの多くは、今まで「政治」なるものに全く無頓着だったのが、参政党の発信するYouTubeを視ているうちに、突然目覚めて、参政党を支持するようになった、等の分析があったが、確かにそんな気がしてくる。

現実の「政治」にすら関心がなかったのだから、ましてや(保守)「思想」などに興味があるはずもなく、ただただ「ピュアネス志向」にドライブされた人たち、と言えるのではないだろうか。

ネットを渉猟していても、神谷代表はじめ、支持者の意見なども目にするが、およそ(保守)「思想」と呼ぶに値するものは、見えてこない。

単なる、異質なものを排除したい、というほとんど生理的な欲求と、過去の日本へのノスタルジー、および劣等感の顕現以外のものを見出すのは、正直困難であると言って過言ではない。

・・・第2回の講義を、あらためて拝聴。

やっぱり、一度すべて通して聴いたとはいえ、ちゃんと理解しようと思ったら、さらに2回は聴かないと。それだけの価値がある講義です。

・・・だいぶヤベえな、これ⇛   https://x.com/jomonzine/status/1924386626547098030

保守思想がどうとか以前の問題だろ。

あまりにバカバカしくて、(保守)思想を勉強する気が失せる。

コメント

このブログの人気の投稿

夏目漱石とアドルノ:「それから」を題材に (再掲)

参政党のビジョンと、「報われぬ死者たち」

人口動態