2025年2月12日水曜日
味気ないがちょっとマシになった。
夏目漱石『それから』における「赤の世界」と「青の世界」の対比から見る近年の政治
夏目漱石の小説『それから』では、主人公の代助が「赤の世界」と「青の世界」という二つの対照的な世界観の間で葛藤する姿が描かれています。「赤の世界」は、合理性や功利主義が支配する現実世界を象徴し、「青の世界」は、感情や美意識が重視される精神世界を象徴しています。
この「赤の世界」と「青の世界」の対比は、近年の政治状況を分析する上でも有益な視点を提供してくれます。
合理性の「赤の世界」から情動の「青の世界」への振れ
現代社会は、効率性や経済成長といった合理性を追求する「赤の世界」に大きく傾倒してきました。しかし、その一方で、人々の感情やアイデンティティといった「青の世界」が置き去りにされてきた側面も否定できません。
近年、世界的にポピュリズムやナショナリズムが台頭していますが、これは「赤の世界」への反発として、「青の世界」が前面に出てきた現象と捉えることができます。グローバル化や経済格差の拡大によって、人々の不安や不満が高まり、感情的な訴えかけや排他的なナショナリズムに共感する人々が増えているのです。
日本政治における「青の世界」の台頭
日本政治においても、かつては自民党を中心とした「赤の世界」が主流でしたが、近年では、民主党や維新の会といった「青の世界」を志向する政党が支持を集めるようになっています。
特に、小泉純一郎政権以降、新自由主義的な改革が進められ、経済効率が重視されるようになりました。しかし、その一方で、格差の拡大や社会の分断といった問題も深刻化し、人々の不満が高まっています。
「赤の世界」と「青の世界」のバランス
政治は、合理性だけでなく、人々の感情やアイデンティティにも配慮する必要があります。「赤の世界」と「青の世界」のバランスをどのように取るかが、現代政治の大きな課題と言えるでしょう。
『それから』が示唆する現代政治の課題
『それから』の主人公代助は、「赤の世界」と「青の世界」の間で葛藤し、最終的には自分の感情に正直に生きる道を選びます。この物語は、現代社会においても、合理性だけでなく、自分の感情や価値観を大切にすることの重要性を教えてくれます。
現代政治においても、効率性や経済成長といった「赤の世界」の価値観だけでなく、人々の感情やアイデンティティといった「青の世界」の価値観にも目を向ける必要があります。
『それから』は、現代政治が抱える課題を考える上で、示唆に富む作品と言えるでしょう。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
アンタッチャブル
俺の中で、 あまりに 黒歴史すぎて、 書こうにも 書けないことって、 あるよ。 慶応SFCのサークル だけど。 あまりに 闇が深すぎて、 書けない。 最後の最後に 俺を 狂気に追いやったの、 そいつらだから。
-
2021年の大河ドラマは、渋沢栄一を扱っていたが、蚕を飼って桑の葉を食べさせているシーンがあったが、蚕を飼うということは、最終的に絹を作って、輸出するということだから、既に世界的な市場と繋がっていて、本を辿れば、あの時代に既に農家も貨幣経済に部分的に組み入れられていたということ。...
-
もし、日銀が目的としている2%の物価上昇が実現した場合、国債の発行金利が2%以上になるか、利回りが最低でも2%以上になるまで市場価格が下がります。なぜなら、実質金利 (名目利子率-期待インフレ率) がマイナスの (つまり保有していると損をする) 金融商品を買う投資家はいな...
0 件のコメント:
コメントを投稿