2025年1月5日日曜日
「金融と社会」質問と回答その7 (再掲)
質問:インフレ目標政策についてうかがいます。 私の実感でも、物価が上がってきたなー、と感じます。 より正確には、 通貨(円)の価値が目減りした ということだと思われますが。 あまり国民の生活が苦しくなれば、 物価の安定という意味では、 金利をあげたほうがまだマシ、 と考える家計も 増えてくるのではないかと考えます。 そうすると、なるほどこれがフィッシャー効果か、 と思われるのですが、 確かに 実質金利がさがったことで 消費者の購買意欲が増したことで 景気の底割れを防ぎ、 政府の名目上の税収も 増えていると言われています。 しかし、かといって、 国も企業も家計も借金まみれの現状では、 今さら金利を上げられるのか、 甚だ疑わしいです。 なぜなら、 金利の上昇は、確かに通貨(円)の価値を 底上げする可能性はありますが、 上述のように 政府・企業・家計が借金まみれの状態では 金利の上昇は難しいことは無論、 長期金利の上昇は、 政府の借金の利払いを増嵩させるのみならず、 日本国債の価格を低下させるため、 発行済日本国債の6割を保有すると いわれる日銀の財務状況を、 著しく危殆にさらすものと考えられるからです。 果たして、 これが当初のインフレ目標政策の 目指していた姿なのか、 甚だ疑念を感じずにはいられません。 回答: 質問文に書かれていることは、私も理解できます。 インフレ目標政策が 2013年に導入を余儀なくされた時、 当時の白川総裁には その問題点がわかっていたと思います。 日銀が2000年に インフレ目標政策について調査したレポートを リンクしておきます。 http://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2000/data/ron0006a.pdf
登録:
コメントの投稿 (Atom)
イイハラ→メシハラ→メッシ
昔 東京ヤクルトスワローズに 飯原(イイハラ)という選手がいて、 たまたま 神宮球場のバックネット裏で 観戦したことがあるんだが、 飯原選手が バッターで、 強振したときに、 バックネット裏の 観客席まで ブンッ!って スイング音が聞こえたね。 あれはす...
-
2021年の大河ドラマは、渋沢栄一を扱っていたが、蚕を飼って桑の葉を食べさせているシーンがあったが、蚕を飼うということは、最終的に絹を作って、輸出するということだから、既に世界的な市場と繋がっていて、本を辿れば、あの時代に既に農家も貨幣経済に部分的に組み入れられていたということ。...
-
もし、日銀が目的としている2%の物価上昇が実現した場合、国債の発行金利が2%以上になるか、利回りが最低でも2%以上になるまで市場価格が下がります。なぜなら、実質金利 (名目利子率-期待インフレ率) がマイナスの (つまり保有していると損をする) 金融商品を買う投資家はいな...
0 件のコメント:
コメントを投稿