クリティカル・ヒット (再掲)

父親の致命傷は、糖尿病と高血圧だった。 ちょうど同世代の定年退職するおじさん達が、 糖尿病で大量にヤバいことになり始めるころ。 医療の世界も、 糖尿病ビジネスに火がつき始め、 各種の啓発本が世に出回り始めていた。 母親が、 父親に泣いて頼んで、 頼むから病院に行ってくれ、と懇願して、 東京の糖尿病専門の病院に行くことになったんだが、 父親は、 どうせ検査だけだと言って、何百万も取るんだ! とブチキレながら車を運転していたが、 その時助手席に座らされた俺は、 まだ精神病院から出てきて 半年も経っていない頃。 正直、なんでこの人は自分の息子にこんな酷い仕打ちをするんだろう?と思った。 もちろん、 その後治療費に掛かったカネは、数百万では済まなかったはずだ。 まあ、それぐらいの仕事人間じゃなかったら、 ごく身内だけで済ませるはずだった葬儀が、 あんなデカくなるわきゃねーわな。 母親が脳梗塞になってから半年も経ってなかったから、 自分は母親見守りで、 全部ねーちゃんに丸投げしたから、 話を聞いただけだけど。

コメント

このブログの人気の投稿

夏目漱石とアドルノ:「それから」を題材に (再掲)

参政党のビジョンと、「報われぬ死者たち」

人口動態