2024年12月28日土曜日

中国史レポート予備

唐代末期以降、安禄山、史思明といった節度使の台頭から、五代十国を経て、皇帝の権威は著しく低下したが、宋代になると、科挙、とりわけ殿試制度により、皇帝の権威は強化された。のみならず、五代十国期に端を発する貧富の格差は、宋代になり、形勢戸・官戸と、佃戸の身分差が実質的に確定され、宋代以降も固定化された。また、大地主層である形勢戸から、官戸が輩出されることは、地主層優遇政治が確固たるものになるだけでなく、科挙による儒教精神の浸透が、持つものと持たざるものの格差を、決定的に固定化した。宋代では、官僚も皇帝に対して、相対的に強い権力を保持したが、明代以降になると、皇帝独裁が完全に確立され、中国社会からは、社会のダイナミズムが失われた。

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