2023年8月12日土曜日
ルカーチ メモその31 結論
ルカーチは、
生産力や技術の発展、
合理化の徹底、
といった、
<近代化>
の
いわば
積極面の行き着く
果てに
決して
<解放>
を
見ていなかった。
<近代化>
という
客観的な条件はむしろ
いっさいを
平準化し
数量として
ひとしなみに
扱う、
そんなおぞましい
破局を
目指すだけだった。
また、彼にするなら、
現実の労働者は
<近代化>
の呪縛に
あまりに
からめ取られている。
その日常的な意識は
物象化された
虚偽意識である。
彼らの
主観的な意志や決断に
まったく
期待ができないというのは、
ハンガリー革命敗北の
ひとつの
大きな教訓だったろう。
そこでルカーチは、
<近代化>
の
否定面としての
物象化を、
プロレタリアートの意識において
積極面に逆転する論理を
考え出したのだった。
商品という客体としてある
プロレタリアートの
自己認識こそは、
この
社会の本質の
客観認識である。
そしてそれも、
この
プロレタリアートの
意識は
<自分に対立して
ある対象についての
意識ではなく、
対象の自己意識である>
ために、
<意識化
という
活動は
その
客体の対象性
形式を
転覆させる>。
つまり
プロレタリアートの
自己認識そのものが
すでに
実践的でしか
ありえない。
こうして
<プロレタリアートは、
歴史の同一的
<主体ー客体>
として現われ、
その実践は
現実の変革となる>
道筋が描かれるのだった。
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