2023年2月4日土曜日

全体主義と物語

経済的に 苦しい ときほど、 人々が 「物語」に すがってしまうのは 当然のこと かも知れない。 後から 考えれば いくら 馬鹿げていても、 むしろ 馬鹿げているからこそ、 敢えてでも 騙されたい、 という心理は、 現代人も 全く変わらない。 そういう「物語」を 騙れる政治家は、 強いて言えば むしろ 有能と言っても 過言ではないだろう。 「決められない政治」 への批判が 官邸と特定の官僚が結びついた 現在の 「官邸政治」を 作り上げたが、 本来、 議会制民主主義の本質は 少数派の声を 聞くことで、 バランスを取ることにある。 権力を掌握した者が 「物語」を語り始め、 友/敵の 二元論を 設定し、 少数派の声を軽んじ始めたら、 危険な徴候であると 見ていい。 デモクラシーとは 「多文化主義」に近いが、 それが 決められない政治や、 社会としての統一性を ぼやけさせる側面があると 見ることは 容易だろう。 カール・シュミットが デモクラシーに敵対的であったのは 頷ける。

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