2022年11月3日木曜日

美人投票 (再掲)

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=61511?site=nli なかなか含蓄が深い。 これも、単純に選択肢の中からチョイスをする、ということが、 モノの選択である以上に、コトの選択である、 つまり、価値判断の表明である好例だろう。 当然、美人投票の例においては、「美人」の基準が個人の価値判断に基づいており、多様だからだ。 しかも、単に美人投票をするだけでなく、 投票をする人どうしが、そもそも「美人」とはどういう性質のものであるか、議論をし始めたら、 もっとややこしい話になるだろう。 こんなパラドックスを考えついたケインズはやはり偉人だ。 しかも、リンクの中では、近似解を得るために、 投票の対象を「美人」ではなく、数字に置き換えてしまっているが、 これは、ケインズの意図を換骨奪胎してしまっている。 牽強付会だが、ふたたび新日本風土記の話に引き寄せると、 無料紹介所のお兄さんと客は、実はとんでもなく複雑なゲームをしている、ということになりはしないだろうか? 昔の人が偉いな、と思うのは、実は数理的にめちゃくちゃ複雑なことでも、 普通のひとにわかるように言葉で説明してたことだよね。 昨今の日本の風潮だと、わからないのはお前の頭が悪いせいだ、と言わんばかりだからね。 研究者が数理モデルを使うのは当然だが、 社会科学者って、複雑な数理モデルがわかんない人にも、自分の主張をわかってもらえるように、言葉で説明する必要があると思うんだよね。 それをしないで、俺の考えてることは複雑過ぎてお前にはわからない、というのは、社会科学をやる人間としては傲慢でしかない。

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曽根崎心中 (再掲)

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