2022年7月20日水曜日

「『きめ方』の論理」 佐伯胖 ちくま学芸文庫 より抜書き

ひとりの良心的個人自由主義者は、社会の他の人々や自分自身に賦与された各種の自由裁量権を監視しており、パレート最適性が盲目的に適用されて、個人の自由の尊厳を侵す可能性が生じないかを見ている。そして、ひとたびそのような可能性が見えたときは、彼は自らの私的意見の公表をひかえるという手段に訴えて、パレート伝染病の発生をくいとめるのである。 パレート伝染病が猛威をふるうのは、全員一致という状況が偶然生じたときだけである。したがって、ひとりでも「一ぬけた」という人がいれば、思いもよらぬところへパレート性が波及することをくいとめることができるのである。そして、この良心的個人自由主義者は、そのような無差別のパレート性の適用が他の人や自分の「自由」を侵害しそうなときに、そのような意見をさしひかえて、「参加」を拒むのである。

1 件のコメント:

  1. たぶんほとんどの日本人が名前だけ知ってて、内容は理解してないと思うけど、アマルティア・センって超すげーな。マジ天才だわ。

    返信削除

レポートネタ (再掲)

近代化・文明化の過程で社会的に周辺化された人々の意識は、社会秩序からの抑圧により、深層意識に抑圧された負のエネルギーを蓄積する。このエネルギーは、社会の矛盾や不正義に対して、時には世界を根底から覆しかねないほどの潜在的な力を秘めている。 社会的に周辺化された人々とは、具体的には、...