2022年3月7日月曜日
リアリズムと現実主義
EHカーっていう著名な国際政治学者の「危機の二十年」、つまり第一次世界大戦と第二次世界大戦の間のいわゆる戦間期を示した本があるんですけどね、僕は読んでないですけど、今の日本の状況が、カーのいう「戦間期」に非常に似ていると思うんですよ。
トーマス・マンの「魔の山」も戦間期に書かれていますが、日本だけではないかもしれませんが、拠り所となる精神的支柱がなく、ジョン・デューイが言うように、個性は金もうけの能力に引き寄せてとらえられ、カーが言うように、理想主義が胡散臭く、リアリズムに走れば危うい。
その絶妙なバランスの上を綱渡りのように歩いていけるかって言ったら、たぶん無理なんだけど、人類の歴史とそこから学んだ偉大な先人が居る、ということだけが、かすかな希望だろう。
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