2022年3月20日日曜日

零度の社会ー詐欺と贈与の社会学 世界思想社

現代社会批判を贈与論で展開するには、既に荻野昌弘先生の「零度の社会ー詐欺と贈与の社会学」(世界思想社)が秀逸に論じているところと思われます。 それをうまく組み込めれば、現代社会批判としてスッキリとしたものに出来ると思われます。と、申しますのは、もし現実社会が完全にアドルノの主張通りならば、社会はとうの昔に崩壊していると思われるからです。 そうならないのは、ある種の詐欺が常に起こっているからではないか? 詐欺という言葉でなくとも、これは去年だったか一昨年だったか、茨城大学で行われた「ビジネスと経済学」(田中泉先生)の授業で伺った話ですが、例えば、マクドナルドで、本当はドリンクだけ飲みたいのに、ついついセットを頼んでしまうように、価格設定がされてたり、あういは別の例では、あるオイスター料理店で、売り上げを増やすために、敢えて通常メニューよりも高価格な商品を並べることで、通常メニューを心理的に安いと感じさせる手口など、消費者の心理を利用した「詐欺」が、日常的に行われているからこそ、経済社会が成り立つ、とも考えられるのです。

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