花鳥風月
人に美しさが宿るには、我慢、あるいはある種のストイシズムが必要だと思っている。
いちいち愚痴を言い、文句を言い、挙げ句の果てには泣き叫ぶ人に、美しさは宿らない。
あるいは、単純な生理的欲求を満たすことが、当人の幸福に繋がるとも、思えない。
快を満たせば悦び、不快ならば泣き叫ぶ。
それは、ただの子どもか、赤ん坊だ。
カントによれば、啓蒙とは、少年を大人にすることらしい。
カントの考える自由とは、己自身に規律を課し、しかもその規律が社会の道徳と乖離しないか、を、不断に意識することだという。
それは、一見とても苦しく、不自由に見える。
しかし、上述したように、人は単に自分の欲求を満たし、文句があれば見境なく騒ぐことでは、幸福にはなれない。
一見不自由に見える、己に対する規律のなかに、本当の自由、幸福が宿るのだと思っている。
そして、その己自身に課した規律を、ストイックに守るところにこそ、人の美しさが宿る、と考える。
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