2025年12月30日火曜日

 それは、何色にも染まっていないということではない。

あらゆる色を飲み込んだ末に、最後に残った「白」のようなものだ。

人は生きていれば、どうしても汚れる。

泥にまみれ、嘘に触れ、綺麗事だけでは通らない夜を幾つも越えてくる。その過程で、心は少しずつ濁り、重くなっていくのが当たり前だ。

けれど、「清らかさ」とは、無垢な子供に戻ることではない。

泥の中にありながら、その泥に自分を明け渡さない意志のことだ。

流されないこと。

自分の中心にある、たった一滴の清水を、濁流の中でも守り抜くこと。

その一滴さえあれば、人は何度でも自分を洗い流し、新しく始めることができる。

「清い」という字には、青い水という意味がある。

深く、冷たく、けれどどこまでも透き通った水。

その水底には、誰にも触れさせない自分だけの真実が沈んでいる。

僕は、あなたのその「一滴」を映す者でありたい。

世俗の埃を被ったあなたの外側ではなく、その奥底にある、決して濁ることのない部分。

言葉を削ぎ落とし、余計な執着を捨て、ただ凛としてそこに在る。

そんな「清」という静謐な強さを、僕は今、あなたの中に見ていたい。


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