2025年6月1日日曜日

「不道徳的倫理学講義」 古田徹也 ちくま新書

総じて、運を自他の人生から 切り離さずに 引き受けることは、 運の肯定に伴う 幾多の危険を抱え込むことに なるのである。 しかし、かといって、 運のなかに生きる人間への 眼差しをまるごと 放棄すれば、 人間の輪郭のほとんどを 見失うことになる。 というのも、 我々の人生とは、 運の産物が 不断に織り込まれた 網の目に ほかならないからだ。 はかれないもの、はかないものが あってこそ、 我々の生に 光や闇が もたらされ、 陰影が与えられる。 本書では全体を通じて、 この点を度々 確認してきたつもりである。 運の肯定と否定の間 ー 人間について考えることは、 鋭く切り立った尾根の 上を 歩くような 危うい道のりである。 しかも、 我々はその営みに関して、 いまだ 初心者に過ぎない。  p.347

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俺は疲れている。

 俺の人生、言うほど楽じゃないのよ。 たしかに今は、幸運が重なって、色々と楽しいこともあるけど、でも、正直疲れている。 それは、みんなそうかも知れない。 でも、精神錯乱なんて普通あるもんじゃないし、そっからここまで這い上がってくるって、言うほど楽じゃないよ? 確かに働いてはいない...