財政支出を
課税により
現在決済しようと,
国債を発行して
将来に決済を延期しようと,
国民の経済厚生に
変化はないという命題。
いま人口が変化せず,
すべての国民に
同額の所得税の減税を
するとともに,
減税分と同額の国債を
新規に発行するケースを考えよう。
この経済では,
国民の保有する
国債という資産の価値と,
国債償還のための費用とは
同率で増加するために,
国民の消費の時系列は
影響を受けない。
リカード(D. Ricardo)が主張し,
近年,バロー(R. J. Barro)ら
合理的期待学派によって,
公債の中立命題として
再定式化されたもの。
有斐閣経済辞典第4版
上の中立命題が示唆することは、
長い目で見れば、
ケインズ経済学的な財政出動は、
意味がない、ということになる。
もっとも、ケインズ自身が、
そんな長い目で見たら、我々はみんな死んでいる、
と反駁したわけであるが。
とはいえ、確かに、
戦後の日本が
財政赤字を垂れ流し続けた結果が
この有り様だから、
中立命題のいうことも、
もっともなことだ。
(以下 Google Bard より回答) はい、わかりました。リカード=バローの中立命題は、財政支出を課税により現在決済しようと,国債を発行して将来に決済を延期しようと,国民の経済厚生に変化はないという命題です。 この命題は、リカードが19世紀に主張し、近年ではバローら合理的期待学派によって再定式化されました。 リカード=バローの中立命題が成立するためには、次の条件が必要です。 国民が合理的期待を持っていること 国民が国債のリスクを厭わないこと 国債がインフレ率と同じ水準で償還されること これらの条件がすべて満たされている場合、国債の発行は国民の消費行動に影響を与えず、経済厚生に変化をもたらしません。 ただし、これらの条件がすべて満たされていない場合、国債の発行は国民の消費行動に影響を与え、経済厚生に変化をもたらす可能性があります。 例えば、国民が合理的期待を持っていない場合、国債の発行は将来の増税を予想させ、国民の消費を抑制する可能性があります。また、国民が国債のリスクを厭う場合、国債の発行は金利の上昇を引き起こし、経済活動を鈍化させる可能性があります。さらに、国債がインフレ率と同じ水準で償還されない場合、国民の資産価値が目減りし、経済厚生が悪化する可能性があります。 リカード=バローの中立命題は、財政政策の有効性を否定する命題です。しかし、この命題が成立するためには、厳しい条件が課されます。これらの条件がすべて満たされているとは限らないため、財政政策は経済厚生に変化をもたらす可能性があります。
1. 序論:『それから』に映し出される明治期の近代化 本稿は、夏目漱石の小説『それから』を題材に、日本の近代化がもたらした状況と、それが個人の経験に与えた影響について考察するものである。特に、経済的豊かさが生み出す「自家特有の世界」への耽溺と、それが最終的に経済の論理に絡め取られていく過程、そしてテオドール・W・アドルノが指摘する、社会の合理化と精神世界における非合理への慰めを求める人々の傾向を、作品を通して分析する。 日本の明治時代(1868-1912年)は、長きにわたる鎖国状態を経て、1853年の黒船来航を契機に世界と対峙し、驚くべき速度で西洋の制度や文化を取り入れ、「近代国家」への道を歩んだ画期的な時代である 。この時期には、鉄道、郵便局、小学校、電気、博物館、図書館、銀行、病院、ホテルといった現代の基盤となるインフラや制度が次々と整備された 。政府は「富国強兵」や「殖産興業」といった政策を推進し、工場、兵舎、鉄道駅舎などの建設を奨励した。また、廃藩置県や憲法制定といった統治制度の変更に伴い、官庁舎や裁判所、監獄などが建設され、教育制度の導入は学校や博物館の整備を促した 。 西洋化の影響は日常生活にも深く浸透した。住宅様式においては、外国人居留地を起点に西洋館が普及し、やがて庶民の住宅にも椅子式の生活スタイルが段階的に浸透した 。食文化においても、仏教の影響で長らく禁じられていた肉食が解禁され、西洋列強との競争意識から日本人の体格向上と体力増強が期待された 。洋食は都市部の富裕層を中心に広まり、カレーライスやオムライス、ハヤシライスといった日本独自の洋食が定着した 。大正ロマン期(1912-1926年)には、西洋文化と日本独自の文化が融合し、「モガ」や「モボ」と呼ばれる若者たちが洋装に身を包み、カフェで音楽や映画を楽しむ「自由でおしゃれな空気」が醸成された 。経済面では、明治後期から軽工業が発展し、日露戦争前後には鉄鋼や船舶などの重工業が急速に発展し、日本の近代化を加速させた 。第一次世界大戦期には工業生産が飛躍的に増大し、輸出が輸入を上回る好景気を享受した 。 『それから』(1909年発表)は、夏目漱石の「前期三部作」の二作目にあたり、急速な近代化が進む日本を背景に、個人の欲望と社会規範の...
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