2023年10月9日月曜日
ルカーチ メモその31 (再掲)
ルカーチは、 生産力や技術の発展、 合理化の徹底、 といった、 <近代化> の いわば 積極面の行き着く 果てに 決して <解放> を 見ていなかった。 <近代化> という 客観的な条件はむしろ いっさいを 平準化し 数量として ひとしなみに 扱う、 そんなおぞましい 破局を 目指すだけだった。 また、彼にするなら、 現実の労働者は <近代化> の呪縛に あまりに からめ取られている。 その日常的な意識は 物象化された 虚偽意識である。 彼らの 主観的な意志や決断に まったく 期待ができないというのは、 ハンガリー革命敗北の ひとつの 大きな教訓だったろう。 そこでルカーチは、 <近代化> の 否定面としての 物象化を、 プロレタリアートの意識において 積極面に逆転する論理を 考え出したのだった。 商品という客体としてある プロレタリアートの 自己認識こそは、 この 社会の本質の 客観認識である。 そしてそれも、 この プロレタリアートの 意識は <自分に対立して ある対象についての 意識ではなく、 対象の自己意識である> ために、 <意識化 という 活動は その 客体の対象性 形式を 転覆させる>。 つまり プロレタリアートの 自己認識そのものが すでに 実践的でしか ありえない。 こうして <プロレタリアートは、 歴史の同一的 <主体ー客体> として現われ、 その実践は 現実の変革となる> 道筋が描かれるのだった。 312ページ
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曽根崎心中 (再掲)
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