2023年8月4日金曜日

ターミナルケア

うちの 父親は ガンじゃなかったし、 安楽死を論じたいわけ でもないし、 ましてや 社会保障費のことを 論じたいわけ でもないんだが、 父親が 肺炎になって 最後の一ヶ月 病院にいたわけだが、 相当キツかっただろうね。 コロナで シャットアウトされてる 病院に、かかりつけの医者が いるから、ということで 強引に ねじ込んでもらったもんだから、 いつもだったら 家族が 泊まり込んで 24時間 つきっきりで 傍にいるところを、 最後の最後に 運悪く 孤独な 一ヶ月を過ごすハメになった。 たぶん 人生で一番最悪な 期間だっただろうね。 で、 脚を切りましょうとか、 歯を抜くとか、 鼻から 管を何本も突っ込まれて、 医者も 父親を 生き永らえさせる為に 最善を尽くしてくれたのは 当然 承知の上なんだが、 もう 医者だって この人は助からない、 ってことは 分かってたと思うんだよね。 糖尿病で高血圧っていう 病気の性質上、 全身の血管がもう ボロボロで、 移植もしたから 免疫抑制剤も 飲んでるから、 やっぱ 糖尿病患者が 最後は 肺炎で亡くなるってケース、 あると思うんですよ。 だから、 医者もそういうケースを 沢山見てきたと思うし、 日常的に死に 接してる プロの医者だったら、 助からないことは 百も承知だと思うのよ。 だからこそなんだけど、 うちの父親みたいな 患者が、 カネにモノ言わせて ちゃんと 治療すれば治るんでしょ?! っていう 甘い考えで 生活習慣を改めず、 おそらく 脳卒中になっても タバコを 吸ってたという状況で、 自分の体なのに 医者に全部丸投げする 姿勢って、 どうなのかと思うのよ。 そこで、 もちろんガイドラインなんか 作れっこないんだけど、 この人を これ以上 生き永らえさせることに 意味があるのかな? っていう問い、疑問は、 決して 無意味ではないし、 人倫にもとる ものでもないと思う。 もちろん、 家族が つきっきりで 世話をしていれば また 状況が違っただろうから、 一概に答えなんか 出るはずもないんだが、 最後の最後まで 地獄のような 苦しい思いをして、 延命治療をするか どうか を 家族に聞かないと 治療を止めることも 出来ない現状は、 結局 患者本人が 一番苦しむものなのではないか? もちろん、 どんなに苦しくても 命を諦めてはいけない、 という 意見には賛同する。 しかし、 現在の医療では どう 頑張っても助からないことが 明白な 状況の患者を、 患者本人が 一番苦しむ 形で 死を遅らせる、 死にさえしなければいい、 という 医療のあり方には 疑問を感じざるを得ない。 ただ、 ヘルパーさんに 聞いた話だが、 そのヘルパーさんが ガンになって、 家族が、 延命治療を続けるかどうか 聞かれる、 という 状況まで行ったのに、 回復して いまでは 元気に暮らしている、という 話もある。 従って、 自分の意見が 絶対という積りは サラサラないのだが。 現在の 日本の終末期医療は、 患者の つかの間の 安息と引き換えに 魂を 狙う メフィストフェレスの ように なってはいないだろうか?

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