2023年8月8日火曜日
負債観念 (再掲)
「負債」の観念を
抱かせることが、
社会全体を構成し、
安定的に維持する
ための手段であるわけで、
交換とか
経済的利益は
副次的な意味しか
ないわけです。
先ほど
お話ししたように、
儀式に際して
各自の
欲望機械を
一点集中的に活性化させますが、
この強烈な体験を
「負債」
と記憶させて、
大地に縛り付けることが
社会の維持に
必要なわけです。
現代社会にも
通過儀礼のようなものが
ありますし、
教育の一環として
意味の分からない、
理不尽に感じる
ことさえある
躾を受けることがありますが、
それは、
この「負債」の刻印と
同根だということのようです。
「負債」の刻印が
本質だとすると、
むしろ下手に
合理的な理由をつけずに、
感覚が強制的に動員される、
残酷劇の方がいい、
ということになりそうですね。
<アンチ・オイディプス>入門講義 仲正昌樹 作品社 p.255
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