2023年6月14日水曜日

アメリカのデモクラシー (再掲)

「私の目に浮かぶのは、 数え切れないほど 多くの 似通って 平等な人々が 矮小で 俗っぽい快楽 を 胸いっぱいに思い描き、 これを得ようと 休みなく動きまわる 光景である。 誰もが 自分にひきこもり、 他のすべての人々の 運命に ほとんど関わりをもたない。 彼にとっては 子供たちと 特別の友人だけが 人類のすべてである。 残りの同胞市民はというと、 彼はたしかにその側にいるが、 彼らを見ることはない。 人々と接触しても、 その存在を感じない。 自分自身の中だけ、 自分のためにのみ存在し、 家族はまだあるとしても、 祖国は もはやない と いってよい。」 (「アメリカのデモクラシー」 アレクシス・ド・トクヴィル 岩波文庫 第二巻 下 2596ページ)

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