2023年4月24日月曜日
ルールか?自由か? その4 (再掲)
しかし、 だからといって、 ハイエクは ひたすら 自由放任を 称揚しているのではなく、 ヨノナカが 自然に 作り出した 自生的秩序には 従わなければ ならない、 と 説く。 自生的秩序については 仲正昌樹が 「いまこそハイエクに学べ」 (春秋社) の なかで デービッド・ヒュームに なぞらえて 論じている。 ヒュームの コンベンション(慣習)に 引き寄せて 考えれば、 理解しやすい。 しかし、 ハイエクの主張は、 決して 数理的に証明された 真理などではない。 これは 我々が 人類の歴史から 学ぶ 教訓のようなものだ。 過去のケーススタディを 網羅するのと、 歴史から学ぶのは、 似ているようで 根本的に違う。 一定の 時間の経過と その中の 一連の出来事から、 物語を紡ぎ出すのは、 歴史家の仕事である。 だから、 それを蓄積して ケーススタディとして 当てはめて なんでも解決できると 考えるのは、 危険だ。 過去のケーススタディに 含まれた バイアスが そのまま 反映されてしまう 可能性が あるからだ。 我々が 歴史を学ぶとき、 その材料には、 歴史家が 作り出した 空隙、スキマ、論理の飛躍がある。 しかし、 それを抜きにしては 歴史を語り得ないし、 そこから 現実を 照らし出す 光を見出すのは、 やはり 現在を生きる 我々の 仕事なのだ。 どんなに 凄い能力を 持っていても、 天下一品のロゴと 交通標識を、 いちいち 教えられなければ 識別できないような キカイに、 政治の大事な 意思決定を 委ねるのは、 やはり 怖い。 同様に、 歴史に学ばない 政治家も、 危険だ。
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妄想卒論その7 (再掲)
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