2023年2月5日日曜日
多様性と同質性ー加筆修正 (再掲)
今朝(2021/12/20)の日経新聞の5面、経営の視点、というコラムで、市場規模としては同じ約11兆円なのに、コンビニが大手3社の寡占状態であるのに、スーパーはおよそ270社存在する、とし、その違いを、「多様性と同質性」に求める。 あまり実証的な論考とは言えないが。スーパーの経営理念は、SDGsという言葉が存在する前から、地域との共存、奉仕、恕の精神、誠実さなどの持続的な考えを理念として、御用聞き、配達、つけ払いなどの一見旧態依然としたやり方で生き残ってきた、とする。
それは
日々の商売を
丁寧に行うことでしか
信用と資本を
積み重ねることが
できなかったからだ。
川一本を挟んだだけで
味噌やしょうゆの味や色が異なる。
餅の形も丸や四角に。水の違いもある。
日本には、しょうゆ、味噌のメーカーがそれぞれ約1000あり、
こうした商品をスーパーに届けるのが
地域に根を張る食料・飲料卸売業。
事業所数は約3万5000。
メーカーも零細だから量産は難しく、
それが郷土料理として輝く。
卸も零細だが、それゆえに地域のひだに入り、庶民が慣れ親しんだ味覚、舌の記憶を支える。
豊かで共同体的な市場経済がエコシステムとなる。
顧客情報管理(CRM)、
デリバリー、電子決済などの
デジタルの武器がない時代から
ご用聞き、配達、ツケ払いという
アナログによって
リアルな世界の顧客の顔を
知ろうとした。
コンビニはどうか。
全国制覇を目指した
スーパーから多くのコンビニが生まれ、
大手3社は全都道府県に
看板を掲げるまでに成長した。
狭い売り場で高速回転で
人気の商品をさばき続けて
利益を稼いだ結果が同質化。
地域性を意識はするが
地場スーパーには及ばない。
コンビニ経営の間尺には
合わなかった。
コロナ禍でいろいろな
産業で再編が加速している。
流通業も例外ではないが、
再編、寡占に勝者はいるのか。
そうした資本と競争の論理とは
一線を画し、
地域社会を守るところに
存在価値が宿るはずだ。
そもそも、人間の人間たる理由はなんなのか? それは、”善さ(good)”とは何か?ということだろう。 以前、あるニュースで、人工知能に”善さ(good)”とは何か?と繰り返し聞いたら、人工知能が怒り出した、という。 昨今、公共哲学界隈では、古代ギリシャに遡る徳倫理学が復権しつつあるそうだが、上述したような状況も無関係ではないだろう。 徳倫理学の代表選手はアリストテレスだが、日本人に馴染みのあるのは、その祖先と言ってもいい、ソクラテスを想像すればいいだろう。 モノの消費とコトの消費の対比でも考えたが、単純に選択肢の中から何かを選ぶ、ということと、それがどういう思想信条の表明であるか、というのは、次元の違う話なのではないか? つまり、単純にどういう結果を選択したか、というより、その結果を選択した根拠が再び問われる事態が起こっていると言ってよいだろう。 しかし、単に選択肢の中からチョイスをするということが、その人の思想信条の表明と全く無関係ということがあり得るだろうか? 〈私が選ぶ〉という行為は、私の志向と他者の志向を突き合わせ、つまりはコミットしようとする対話性を内包している。 まさに人はパンのみにて生くるものにあらずーー他者との関係性の上に展開するストーリー(人生の物語)抜きに生きるということはあり得ない。
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