2022年10月21日金曜日

「金融と社会」質問と回答その3 (再掲)

質問:2022年6月28日付け日経新聞朝刊に、 「家計資産、脱『預金』の兆し」と題して、 末尾に、 「いくら運用手段を充実させても、 企業の競争力が海外より劣っていれば家計の資金が海外に逃避する『キャピタルフライト』を招いて国力低下につながる。 (以下略)」 としてありましたが、 このような家計部門の海外への移転は、 経常収支の統計上どのように現れるのでしょうか? 回答:国連にあわせて、2014年に国際収支関連統計の大幅改訂がありましたので、統計上の扱いが大きく変わりました。 それ以前は、海外の国債や株式を買うと、日本のお金が出ていくから資本収支赤字とされ、お金が逃げていく「キャピタルフライト」のイメージでした。 でも、海外の国債や株式を買うのは、今後利子配当が期待できる金融資産が増えたことを意味しますので、いまは金融収支で「黒字」とされています。 海外での資産運用は、キャピタルフライトではなく、今後の収入を保証してくれる金融収支黒字要素と扱われています。 成長する海外企業に投資するのは良いことです。

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