2022年10月28日金曜日

中立命題 (再掲)

財政支出を課税により現在決済しようと,国債を発行して将来に決済を延期しようと,国民の経済厚生に変化はないという命題。 いま人口が変化せず,すべての国民に同額の所得税の減税をするとともに,減税分と同額の国債を新規に発行するケースを考えよう。 この経済では,国民の保有する国債という資産の価値と,国債償還のための費用とは同率で増加するために,国民の消費の時系列は影響を受けない。 リカード(D. Ricardo)が主張し,近年,バロー(R. J. Barro)ら合理的期待学派によって,公債の中立命題として再定式化されたもの。 有斐閣経済辞典第4版 上の中立命題が示唆することは、長い目で見れば、ケインズ経済学的な財政出動は、意味がない、ということになる。 もっとも、ケインズ自身が、そんな長い目で見たら、我々はみんな死んでいる、と反駁したわけであるが。 とはいえ、確かに、戦後の日本が財政赤字を垂れ流し続けた結果がこの有り様だから、中立命題のいうことも、もっともなことだ。

1 件のコメント:

  1. そもそも、一方で高齢者の「命の選別」を口にしながら、片一方では国は絶対に財政破綻しないから、いくら財政出動しても大丈夫、って理屈が、根本的におかしいだろ。いくら財政出動しても大丈夫なら、なぜ高齢者の「命の選別」の議論をする必要があるのか?小学生でもわかる話だろ。

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