2022年9月9日金曜日

カール・シュミットと「例外状態」(再掲)

カール・シュミットは、かなりラディカルな理論家で、ワイマール共和国に対する痛烈な批判という形で理論を構築したんだけど、現代の日本人が想像するような「政治」というのは、政治ではないと論じる。 端的に、戦争という「例外状態」において、民主主義の本質が現れる、と論じた。 と、まあ後はマカマサ先生の本でも読んでいただくとして、でも、原理的にそういう側面は確かにあるよね、と思いつつ、現実の政治は多元的な政治団体の利害調整の場だったり、まずは当選しないことには話にならない政治家としての宿命が産み出した利権構造だったりってのも、無視できないよね、てのはある。 ただ、国家と社会が互いに浸透しあって、国家の本質が見えずらくなってるのも、現代日本社会の特質とも言えるだろう。 そういう時に、カール・シュミットの、友・敵理論、つまり、政治的(あるいは文化的)多元主義なんていう生ぬるい観念はかなぐり棄てて、国家が生きるか死ぬかのある種の限界状態においてこそ、国家、あるいは民主主義の本質が現れる、という理屈は、閉塞感ただよう現代日本において、響くものがある。

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