2022年8月21日日曜日
岸田内閣支持率低下(再掲)
○国会に対して連帯して責任を負ってるのは、内閣であって、総理大臣ではない。 ⇒憲法66条3項「内閣は、行政権の行使について、国会に対して責任を負う。」から、正当な主張です。国会との関係における原則です。 ○したがって、安倍首相の辞任に伴って、内閣が総辞職して、国会であらためて首相を選ぶ選挙が行われた。 ⇒国会法64条で内閣総理大臣は、辞表を提出することができます。辞表を提出すれば、内閣総理大臣が欠けたことになります。 ⇒憲法70条で「内閣総理大臣が欠けたときは、……内閣は総辞職しなければならない。」に該当する。 ⇒そこで、次期内閣総理大臣は、憲法67条で、「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。」 >>>>今回も、憲法の規定通りに行われています。衆議院の解散については、政治課題となっても、別の問題です。 ○もし解散権が首相の専権事項だというなら、当然国会に対して連帯責任を負っているのは首相であって、首相が辞めた以上、衆議院を解散しなければならない。 ⇒憲法69条の「衆議院が解散されない限り」の規定、と、憲法7条第3号「天皇は、内閣が助言と承認により、……これを行う。」の規定から、衆議院の解散権の主体は、形式的には「天皇」であり、その国事行為の関して授業でお話ししたとおり議論はありますが、実質的には内閣と解釈されています。内閣総理大臣は内閣の首長ですから、実質的には内閣総理大臣が解散を決定します。 ⇒新内閣総理大臣は、解散権を現在行使しないと発言されています。首相が交代したが、衆議院の解散は必ず行わなければならないとは言えません。もちろん、授業で説明したように、解散権行使は、自由ではないという考え方もあります。憲法解釈的には傾聴すべき見解ですが、そのように解釈すべきとの制度的な保障システムはありません。 ○そうでない、つまり国会に対して連帯して責任を負っているのは内閣だというなら、政界の常識となっている解散権は首相の専権事項という考え方は、憲法違反ということになる。 ⇒内閣の中に、解散に反対する人がいれば、内閣総理大臣は、憲法68条2項によって、罷免することができます。そして、賛成の残った国務大臣が内閣として内閣総理大臣の決定に従うという構図です。 ⇒憲法66条3項の「内閣の連帯責任」は、内閣一体の原則の表れです。行政権が一体ではなく、国務大臣ごとにバラバラに行政を運営すれば、現実問題が山積することになります。そこで、同条1項に規定されているように、「首長」たる内閣総理大臣の権限が存在します。とりわけ国務大臣の任命・罷免権を背景として、閣議を主宰しているのは、内閣総理大臣です。 ⇒したがって、ご意見のように「憲法違反」とは言えないというのが、多数の解釈です。 以上、ご説明させていただきました。
日笠完治先生より
登録:
コメントの投稿 (Atom)
妄想卒論その7 (再掲)
「ウォール街を占拠せよ」 を 合言葉に 米国で 反格差のデモが広がったのは 2011年。 怒りが新興国に伝播し、 米国では 富の集中がさらに進んだ。 米国の 所得10%の人々が得た 所得は 21年に全体の46%に達した。 40年で11ポイント高まり、 ...
-
2021年の大河ドラマは、渋沢栄一を扱っていたが、蚕を飼って桑の葉を食べさせているシーンがあったが、蚕を飼うということは、最終的に絹を作って、輸出するということだから、既に世界的な市場と繋がっていて、本を辿れば、あの時代に既に農家も貨幣経済に部分的に組み入れられていたということ。...
-
もし、日銀が目的としている2%の物価上昇が実現した場合、国債の発行金利が2%以上になるか、利回りが最低でも2%以上になるまで市場価格が下がります。なぜなら、実質金利 (名目利子率-期待インフレ率) がマイナスの (つまり保有していると損をする) 金融商品を買う投資家はいな...
0 件のコメント:
コメントを投稿