2022年6月13日月曜日
腕時計とガソリン車
日本経済の最後の砦はガソリン自動車だし、それが電気自動車に食われればヤバい、という議論は確かだと思う。
ガソリン自動車はエンジンで動く一方、電気自動車はモーターで動くので、部品が少なくて済むし、ガソリン自動車は関連産業の裾野が広いという意味で、ガソリン自動車が廃れるのは、日本経済にとって致命的というのは確か。
しかし、腕時計を例に考えると、腕時計の価値が単に精確な時間を知るためだけに限定されるならば、それこそせいぜい1000円ぐらいの腕時計しか市場に存在しないだろう。
ところが実際には、高級腕時計というものが普通に出回っている。
ガソリン自動車も同じで、精巧な機械仕掛けの製品に対するフェティシズムというのは、根強く残る可能性もあると思われる。
ガソリン自動車も腕時計も、嗜好品という側面は共通している。
何より、ガソリン自動車も腕時計も、保有する人間のステータスシンボルを表すという、人間の根本的な欲求に訴求する面を色濃く持っている。
もし電気自動車に移行するにしても、この、所有者の優越感を満足させられるという価値を目指さないと、稼げる製品は作れないだろう。
商品の方向性は真逆だけど、吉野家の重役が、田舎から出てきた生娘を牛丼でシャブ漬けにする発言で問題になったけど、あれも実は経営の方向性という面では合理的なのかも知れない。
それぐらい、中毒にするぐらいの訴求力がなければ、生き残っていけないんだろう。
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