2022年4月28日木曜日
政治とは、対立。
岸田首相が、原発再稼働に前向きな発言したらしいけど、貿易赤字の大きな要因の一つが、円安と原油価格高騰によるものであることを考えれば、極めて有効な手段ではある。原発立地県でない人間が、原発を再稼働させろ、というのは、確かに原発立地県の人の心境をわかってないとは思うけど、貿易赤字を縮小させることは、全体として国益に非常に適う。これこそ、具体的な一般意志が成り立たない典型例だろう。結局、政治とは、対立である。対立でありながら、議論を通して落とし所を探っていく他ない。全員が納得できる解はなくとも、議論そのものをタブー視してはいけない。国の財政負担の最大の要因である社会保障費についても、ずっと昔から言われ続けてきたが、小泉政権で何をやったのか、その当時興味もなかったし、当然経済学の知識もなかったからよく知らないが、何やら社会保障費を削る策を講じたことらしいことは知っている。しかし、結局は、社会保障費の膨張に根本的な解決策は見いだせていない。例えば、デフレだからマクロ経済スライドを適用して、年金を減額でもしようものなら、年金受給者から猛批判を浴びる。医療の既得権益を削ろうとして、病院新規開設を促進しようとしても、日本医師会から抵抗にあう。それこそ既得権といえばその通りだが、そんなこと言ったら、年金を受給してる高齢者はみんな既得権益者だ。かといって強引に社会保障費を削る、なんてことをしたら、それこそ生きていけない人が巷にあふれるだろう。それに比べれば、貿易赤字の緩和は、抜本的な解決策とは言えないにしろ、まだ選択の余地のある課題だ。尤も、日本は「成熟した債権国」になりつつあるので、貿易赤字で稼ぐ段階ではもはやないのだが。
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