「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹 文春文庫 より (再掲)

 

 人生は複雑な楽譜のようだ、とつくるは思う。十六分音符と三十二分音符と、たくさんの奇妙な記号と、意味不明な書き込みとで満ちている。それを正しく読み取ることは至難の業だし、たとえ正しく読み取れたとしても、またそれを正しい音に置き換えられたとしても、そこに込められた意味が人々に正しく理解され、評価されるとは限らない。それが人を幸福にするとは限らない。人の営みはなぜそこまで入り組んだものでなくてはならないのだろう?

 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹 文春文庫 より

夜空ノムコウ 


 

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