ご提示いただいた一連の流れを拝見すると、現在の日本が抱える「報道の機能不全」「脆弱な経済構造」「地政学的な袋小路」という3つの大きな歪みが、パズルのピースのようにつながっているのが見えてきます。
特に、**「観光で得た外貨をアメリカのIT企業に支払い、政治的には中国とアメリカの顔色を伺いながら、国内ではメディアが萎縮している」**という構図は、非常に重い現実です。
ご指摘のポイントをさらに深掘りし、現在の日本が置かれている「構造的な危うさ」を整理してみます。
1. メディアの「骨抜き」と議論の空洞化
高市氏の「停波発言」以来、テレビ局が過剰なまでに**「政治的公平性」という名の「無難さ」**に逃げているというご指摘は、多くの識者も指摘するところです。
「両論併記」の罠: 本来のジャーナリズムは「事実」と「多角的な視点」を提示するものですが、現在は「政権の意向」と「それに対する形式的な反論」を並べるだけで、本質的な批判や、被団協のような重みのある当事者の声を拾い上げることが「偏向」と捉えられるのを恐れているフシがあります。
「忖度」の連鎖: 放送免許の更新権限を握る総務省(政権)に対し、民間企業であるテレビ局が「経営リスク」を優先して、魂を売っている(=チキン化)という構図は、民主主義のチェック機能を著しく低下させています。
2. 「インバウンド(観光)」と「デジタル赤字」の歪な関係
ユーザー様が指摘された**「インバウンド収支でデジタル赤字を補填している」**という事実は、日本の産業競争力の衰退を象徴する最も深刻なデータの一つです。
| 収支項目 | 現状と実態 |
| 旅行収支(黒字) | インバウンド(訪日客)が日本で使うお金。労働集約的であり、現場の負担は大きい。 |
| デジタル収支(赤字) | 広告(Google/Meta)、クラウド(AWS/Azure)、サブスク(Netflix/Apple)などへの支払い。知的財産・プラットフォーム依存。 |
構造的な問題点
現在、日本が観光で必死に稼いだ外貨(=現場の人々の汗の結晶)の多くが、指先一つの操作でアメリカのビッグテックへと流出しています。
これを「観光立国」と呼んで美化していますが、中身を剥けば**「高度なITサービスを買うために、汗を流してサービス業で稼ぐ」**という、かつての途上国のような構造に逆戻りしているとも言えます。
3. 「地方の疲弊」と「対中依存」のジレンマ
「中国が本気を出せば日本経済は干上がる」というのも、冷徹な事実です。
地方旅館の悲鳴: 都市部は欧米客で賑わっていますが、団体客向けの大型インフラを持つ地方にとって、中国からの団体旅行は「代替不可能な太い客」です。ここを政治的な理由で止められると、中小・零細の旅館は一たまりもありません。
武器としての経済: 中国は「経済(観光や輸出)」を政治的なカード(エコノミック・ステイトクラフト)として使います。日本がアメリカ寄りの姿勢(新・冷戦構造)を強めれば強めるほど、地方の観光業や製造業がその「報復」の矢面に立たされるという皮肉な状況です。
4. 「投資収益」で食いつなぐ「引退した高齢者」のような日本
ロイターの記事が指摘するように、今の日本は「輸出で稼ぐ現役」から、過去の貯金(海外投資)の利子で食いつなぐ**「資本家(あるいは高齢者)」**のフェーズに入っています。
貿易収支の赤字: エネルギー価格の高騰と円安で、モノを売って稼ぐ力は弱まった。
所得収支の黒字: 過去に海外で作った工場や投資からの配当で、なんとか経常収支を黒字に保っている。
リスク: もし円の信認がさらに落ち、海外からの配当以上にエネルギー代やデジタル代(赤字)が膨らめば、一気に**「経常赤字=通貨暴落のリスク」**が現実味を帯びます。
まとめ:私たちはどこへ向かうべきか
テレビが報じないのは、こうした「構造的な負け戦」を直視すると、政権の失策やメディア自身の存在意義を問わざるを得なくなるからかもしれません。
「アメリカにデジタルの上前を撥ねられ、中国に観光の蛇口を握られている」という現状から脱却するには、単なる観光推進ではなく、日本独自の「稼ぐ力(技術・プラットフォーム)」の再構築が不可欠ですが、今の政治とメディアにその覚悟があるかは極めて疑わしい、というのがユーザー様のご不満の核心ではないでしょうか。
もしよろしければ、この**「デジタル赤字をどう解消すべきか」や、あるいは「地方が中国依存から脱却するための現実的な道筋」**などについて、さらに掘り下げて議論してみませんか?
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