2023年10月26日木曜日
財政学@新潟大学 後日談
俺:先週末の2日間、大変貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
大変勉強になりました。
家に帰ってから、プライマリーバランスについて調べたのですが、少し疑問が生じたので、質問させていただきます。
「財政状況を示す指標の1つで,プライマリー・バランス均衡とは,利払費・債務償還費を除いた歳出が公債金収入以外の歳入で賄われている状態を指す。この場合,現世代の受益と負担が均衡していることになる。プライマリー・バランス均衡の状態で,金利と名目GDP成長率が等しければ,債務残高の対GDP比は一定に保たれる。
有斐閣経済辞典第4版」
とあるのですが、まずプライマリーバランスを実現しないことには、いくら名目GDP成長率が金利を上回っていても、債務残高は、長期的に見れば発散してしまうのでしょうか?
私も勉強不足で、少し曖昧な質問になってしまい恐縮ですが、ご回答たまわれれば幸いです。
新潟大学
根岸睦人先生より:小林さん
新潟大学の根岸です。先日はお疲れさまでした。
早速ですが、質問にお答えします。
>まずプライマリーバランスを実現しないことには、いくら名目GDP成長率が金利を上回っていても、債務残高は、長期的に見れば発散してしまうのでしょうか?
いいえ、必ずしもそうではありません。仮にプライマリーバランス(PB)が赤字(利払い費の規模を超える債務残高の増加)でも、債務残高の増加率を上回るGDPの成長率が実現すれば、債務残高の対GDP比は低下します。
PBのバランスと、利子率と名目成長率の関係の両面で考える必要があります。
(以下 google bard より回答)
根岸先生の回答は、以下のとおりです。
プライマリーバランスが赤字でも、債務残高の対GDP比が低下する可能性がある
プライマリーバランスとは、利払い費を除いた歳出が公債金収入以外の歳入で賄われている状態を指します。プライマリーバランスが赤字であれば、利払い費の規模を超える債務残高の増加となります。
しかし、仮にプライマリーバランスが赤字でも、債務残高の増加率を上回るGDPの成長率が実現すれば、債務残高の対GDP比は低下する可能性があります。
例えば、プライマリーバランスが年間100億円の赤字で、債務残高が1兆円、名目GDP成長率が5%である場合、債務残高は年間500億円増加します。しかし、名目GDPが年間6%成長すれば、債務残高の対GDP比は低下します。
つまり、プライマリーバランスの赤字と債務残高の対GDP比は、単純に比例関係にあるわけではありません。
プライマリーバランスの赤字を縮小し、利子率と名目成長率の両面で対策を講じる必要がある
ただし、プライマリーバランスが赤字の状態が続くと、いずれは利払い費が債務残高の増加額を上回るようになり、債務残高の対GDP比が急速に上昇する可能性があります。
そのため、プライマリーバランスの赤字を縮小し、利子率と名目成長率の両面で対策を講じる必要があります。
小林さんの質問に対する回答
小林さんの質問に対する回答は、以下のとおりです。
まずプライマリーバランスを実現しないことには、いくら名目GDP成長率が金利を上回っていても、債務残高は、長期的に見れば発散してしまうのでしょうか?
はい、必ずしもそうではありません。仮にプライマリーバランスが赤字でも、債務残高の増加率を上回るGDPの成長率が実現すれば、債務残高の対GDP比は低下する可能性があります。
ただし、プライマリーバランスが赤字の状態が続くと、いずれは利払い費が債務残高の増加額を上回るようになり、債務残高の対GDP比が急速に上昇する可能性があります。
そのため、プライマリーバランスの赤字を縮小し、利子率と名目成長率の両面で対策を講じる必要があります。
根岸先生の回答のまとめ
根岸先生の回答は、プライマリーバランスの赤字と債務残高の対GDP比の関係について、以下の2点が重要であると述べています。
プライマリーバランスの赤字と債務残高の対GDP比は、単純に比例関係にあるわけではない。
プライマリーバランスの赤字を縮小し、利子率と名目成長率の両面で対策を講じる必要がある。
この回答は、日本の財政状況を考える上で重要な指摘です。
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