2023年8月6日日曜日
資本主義と家族 (再掲)
家族が、
資本主義化された
社会野全体の
部分集合になっていて、
社会的な
諸人物のイメージが
「父―母―子」の三角形に
還元される、
ということですね。
「還元(縮小)される se rabattre」
という所がミソです。
資本主義社会全体が
三者関係によって
表象されるわけではなく、
その一部だけが
家族の中で
二次的表象を
作り出すわけです。
家族は、
資本主義機械によって
植民地化されているわけで、
「父」や「母」は
資本主義機械の
一部を代理して、
「私」を躾け、
飼いならすわけです。
「父―母」を「消費する consommer」
というのは、
家族の中で
父や母によって
子供としての
私の欲望が充足される、
ということでしょう。
恐らく、
社会機械と
繋がっている
人間の
欲望の発展の
方向性は
元来
かなり多様な
はずなのだけど、
核家族の中で
育てられると、
それは
かなり限定的なものに
なっていく、ということでしょう。
小さい私は
もっぱら
パパやママから
与えられるものを
消費する
受動的な存在に
すぎません。
大人になって、
「社長―指導者―神父・・・」
等の
職に就いたら、
消費するだけでなくて、
自らも
生産活動に携わるようになるので、
社会体に対して
能動的に働きかけ、
自己の欲望の回路を
拡大できるようになるかと言えば、
そうはいかない。
子供の時に
教えられたように
消費しようとする。
それが、
エディプス三角形の中での
「去勢」でしょう。
「ドゥルーズ+ガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義」 p.300~301 作品社 仲正昌樹
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