伊集院静の「大人の流儀」を、大人買いしてしまった。
それは、ある意味ミシェル・ウェルベックの「服従」のようかも知れない。
自分が躾けられてきた価値観が役に立たないから、古色蒼然とした、しかも他人が拵えた価値観に依存する、という。
自調自考を旨とする武蔵のOBとして、あってはならないことだ。
それでも、なにか「人生のマニュアル」のようなものが、無性に欲しくなった。
アマゾンでサンプルを読んで、はじめは「なんだ、このオッサンは。この程度の文章で文筆業として喰っていけるのか。楽勝だな。」とすら思った。
しかし、それでも、オトナとして、世間を生きていく上で、なにか「指針」となるものが、どうしても欲しくなった。
哲学やら文学やら、それなりに勉強してきたが、仮に古代ギリシアのような道徳哲学を学んだとしても、ガクモンである以上は、理詰めで考えるわけで、つまるところ、その時その時で、「考え」なくてはいけないのだ。
しかも、なにか積極的に「こうしなさい」と教えてくれるわけでもない。
(そもそも学問とはそういうものだ。)
しかし、もういちいち「考える」ことに、疲れた。
「こういう時はこうしなさい」と言ってくれるほうが、正直ありがたい。
もういちいちその都度「考えて」いたら、身が持たない。
と、いうか脳がもたない。
言ってみれば、生き方のマニュアル本(⇐ひどい)みたいなものかも知れないが、ある程度「決めつけ」てくれたほうが、めちゃくちゃ楽なのだ。
もちろん、こんなことを、若いうちからやってはいけない。
若いうちは、とことん自分の頭で、身体で、考える機会がなくてはいけない。
つまり、俺ももう若くはないのだ。
いまちょうどアマゾンで注文したばかりだから、届くのを楽しみにしている。
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