2025年9月28日日曜日

「大人の流儀」 ー服従ー

 伊集院静の「大人の流儀」を、大人買いしてしまった。

それは、ある意味ミシェル・ウェルベックの「服従」のようかも知れない。

自分が躾けられてきた価値観が役に立たないから、古色蒼然とした、しかも他人が拵えた価値観に依存する、という。

自調自考を旨とする武蔵のOBとして、あってはならないことだ。

それでも、なにか「人生のマニュアル」のようなものが、無性に欲しくなった。

アマゾンでサンプルを読んで、はじめは「なんだ、このオッサンは。この程度の文章で文筆業として喰っていけるのか。楽勝だな。」とすら思った。

しかし、それでも、オトナとして、世間を生きていく上で、なにか「指針」となるものが、どうしても欲しくなった。

哲学やら文学やら、それなりに勉強してきたが、仮に古代ギリシアのような道徳哲学を学んだとしても、ガクモンである以上は、理詰めで考えるわけで、つまるところ、その時その時で、「考え」なくてはいけないのだ。

しかも、なにか積極的に「こうしなさい」と教えてくれるわけでもない。

(そもそも学問とはそういうものだ。)

しかし、もういちいち「考える」ことに、疲れた。

「こういう時はこうしなさい」と言ってくれるほうが、正直ありがたい。

もういちいちその都度「考えて」いたら、身が持たない。

と、いうか脳がもたない。

言ってみれば、生き方のマニュアル本(⇐ひどい)みたいなものかも知れないが、ある程度「決めつけ」てくれたほうが、めちゃくちゃ楽なのだ。

もちろん、こんなことを、若いうちからやってはいけない。

若いうちは、とことん自分の頭で、身体で、考える機会がなくてはいけない。

つまり、俺ももう若くはないのだ。

いまちょうどアマゾンで注文したばかりだから、届くのを楽しみにしている。

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