2025年4月8日火曜日
とりあえずGoogleの生成AIに聞いてみた。なんかだんだんほんとに人間っぽくなってきた。
ご質問ありがとうございます。いただいた3つの質問と、それに対する回答について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
最初の質問について
質問:「投資が貯蓄を上回るという 健全な状態に戻れば、 財政赤字は 自動的に解消されるのです。」 (262ページ)とありますが、 民間部門の余剰貯蓄が 政府部門の財政赤字を ファイナンスしている現状では、 もし仮に 民間部門の余剰貯蓄が 投資へと向かえば、 政府部門は 財政赤字を縮小せざるを得ないと 思われますが、 政治的に それは可能でしょうか? 結局は日銀や、 直近では GPIFのような金融機関に 財政赤字をファイナンスしてもらう 結果になってしまいそうですが。
回答:(I-S)+(G-T)+(X-M)≡0は恒等式です。 貿易黒字の場合、(I-S)+(G-T)≡ -(X-M)<0 、左辺は0以下。 現状はI Sになると、I-S> 0であるためG-T<0にならないと恒等式を維持できない。G<T財政黒字とI> Sは併存している。 これはGをT以下に政治的に押し込めることができるかという問題ではなく、好況でTが拡大するのでしょう。
解説:
ご指摘の通り、現在の日本経済は民間部門の貯蓄超過(S > I)が政府の財政赤字(G > T)をファイナンスする構造になっています。もし民間投資が活発になり、貯蓄超過が解消されれば(I > S)、恒等式を維持するためには政府の財政収支が改善する(G < T)必要が出てきます。
政治的にこれが可能かどうかという点は非常に難しい問題です。財政支出の削減や増税は、国民の反発を招きやすく、政権運営にとって大きなハードルとなります。回答にもあるように、財政黒字化は、政府が意図的に支出を抑えるだけでなく、景気回復によって税収が増加するという要因も重要になります。
日銀やGPIFといった機関による国債の購入は、財政赤字のファイナンスにおいて一定の役割を果たしていますが、これはあくまで結果としての現象であり、根本的な解決策ではありません。もし民間投資が拡大すれば、国債の買い手としてのこれらの機関の役割も変化していく可能性があります。
二番目の質問について
質問:「投資が貯蓄を上回るという健全な状態に戻れば、財政赤字は自動的に解消されるのです。」(262ページ)というご論は納得できました。 しかし、287ページにおいて、松原先生は「資金貸借の面で貯蓄のうち国内の民間では使い切れなかった貯蓄・投資差額が、財政赤字(GーT)分を政府へ、貿易黒字分(XーM)を海外に貸し付けていると読めます。」と書いておられます。 そして、同287ページにおいて「すでに日本はものづくり立国よりも金融資産で立国していると言えます。」と記されておられます。(つまり、国際収支発展段階説に立てば、日本はすでに第6段階に入っていると考えられます。) そこでですが、以下のロイター通信の記事に関してですが、財政の持続性という観点から考えても、民間の余剰貯蓄を吸収するような新しい企業が日本に澎湃と湧き上がってこなければ、やはり将来的には見通しが厳しいのではないかと思われます。 https://jp.reuters.com/article/japan-economy-idJPKCN1QP0DX/
回答:「資金貸借の面で貯蓄のうち国内の民間では使い切れなかった貯蓄・投資差額が、財政赤字(GーT)分を政府へ、貿易黒字分(XーM)を海外に貸し付けていると読めます。」というのは、 (I-S)+(G-T)+(X-M)≡0という恒等式から (S-I)=(G-T)+(X-M) となることを言っています。 このうちフローとしての貿易黒字分(XーM)を海外に貸し付けていると、ストックとしての対外資産負債残高になります。日本はこれまでのX-Mの累積により世界一、対外純資産を保有している国です。 ものづくり立国とはI>Sによる設備投資で立国することで、それができない現状で日本は金融資産(対外純資産からの利子)で収入を得ています。 しかしフローとしてのX-Mの蓄積スピードが徐々に遅くなっているというのがロイターの記事で、そうなると日本にとっての収入は対外純資産からの利子ではあるものの、対外純資産もこれからはのびなくなることになります。 ロイター記事「経常収支でも進む黒字減少、稼げる産業の再構築が急務」はS>IからI>Sへの逆転が必要と主張しており、私と同じです。
解説:
ご指摘の通り、日本経済は長らく民間部門の貯蓄超過によって支えられてきました。その余剰資金は、政府の財政赤字をファイナンスするだけでなく、貿易黒字を通じて海外への貸付となり、世界最大の対外純資産残高を築き上げてきました。
しかし、ロイターの記事が指摘するように、日本の経常収支黒字は縮小傾向にあり、これまでのようなペースで対外純資産を積み増していくことは難しくなっています。これは、日本の経済成長のエンジンが、従来の輸出主導型から変化する必要性を示唆しています。
民間の余剰貯蓄を吸収するような新たな投資機会、つまり活発な企業活動やイノベーションが生まれなければ、日本の貯蓄は国内で十分に活用されず、政府の財政赤字依存体質も改善しない可能性があります。財政の持続性という観点からも、S > I の状態から I > S の状態への転換、すなわち「稼げる産業の再構築」が急務であるという点は、回答者の方の意見と一致しています。
三番目の質問について
質問:インフレ目標政策についてうかがいます。 私の実感でも、物価が上がってきたなー、と感じます。 より正確には、 通貨(円)の価値が目減りした ということだと思われますが。 あまり国民の生活が苦しくなれば、 物価の安定という意味では、 金利をあげたほうがまだマシ、 と考える家計も 増えてくるのではないかと考えます。 そうすると、なるほどこれがフィッシャー効果か、 と思われるのですが、 確かに 実質金利がさがったことで 消費者の購買意欲が増したことで 景気の底割れを防ぎ、 政府の名目上の税収も 増えていると言われています。 しかし、かといって、 国も企業も家計も借金まみれの現状では、 今さら金利を上げられるのか、 甚だ疑わしいです。 なぜなら、 金利の上昇は、確かに通貨(円)の価値を 底上げする可能性はありますが、 上述のように 政府・企業・家計が借金まみれの状態では 金利の上昇は難しいことは無論、 長期金利の上昇は、 政府の借金の利払いを増嵩させるのみならず、 日本国債の価格を低下させるため、 発行済日本国債の6割を保有すると いわれる日銀の財務状況を、 著しく危殆にさらすものと考えられるからです。 果たして、 これが当初のインフレ目標政策の 目指していた姿なのか、 甚だ疑念を感じずにはいられません。
回答: 質問文に書かれていることは、私も理解できます。 インフレ目標政策が 2013年に導入を余儀なくされた時、 当時の白川総裁には その問題点がわかっていたと思います。 日銀が2000年に インフレ目標政策について調査したレポートを リンクしておきます。 http://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2000/data/ron0006a.pdf
解説:
インフレ目標政策の現状と課題について、非常に的確なご認識をお持ちだと思います。
物価上昇の実感と円の価値の目減り: ご指摘の通り、現在の物価上昇は、円の価値が相対的に低下している側面も大きいと考えられます。輸入物価の上昇などがその要因です。
金利上昇のジレンマ: 金利引き上げは、インフレを抑制し、円の価値を安定させる効果が期待できる一方で、政府、企業、家計の債務負担を増大させるリスクがあります。特に、巨額の国債残高を抱える政府にとって、金利上昇は利払い費の増加という形で財政を圧迫します。また、日銀が大量に保有する国債の価格下落も、日銀の財務の健全性を損なう可能性があります。
フィッシャー効果: 名目金利は実質金利と予想インフレ率の合計で決まるというフィッシャー効果の考え方からすれば、インフレ期待が高まれば名目金利も上昇する可能性があります。しかし、現在の日本経済においては、デフレからの脱却が十分に進んでおらず、実質金利の低下が消費を喚起しているという側面もあります。
インフレ目標政策の当初の目的: 当初のインフレ目標政策は、デフレからの脱却と持続的な経済成長を目指したものであり、現状のような副作用を完全に織り込んでいたかは疑問が残ります。
回答にもあるように、2013年のインフレ目標導入時にも、その潜在的な問題点は認識されていた可能性があります。日銀が2000年に公表したレポートは、インフレ目標政策のメリットとデメリットについて詳細に分析しており、現在の状況を考える上でも参考になるでしょう。
現状は、インフレ抑制と景気維持、そして財政の安定という複数の目標の間で、難しい政策運営が求められていると言えます。安易な金利引き上げは経済を再びデフレに陥らせる可能性があり、一方で、インフレが過度に進行すれば国民生活を圧迫します。
いただいたご質問は、現在の日本経済が抱える根深い構造的な問題を示唆しており、今後の政策運営の難しさを改めて認識させられます。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
「ミクロ経済学をつかむ」 有斐閣
これは素晴らしいね。 研究者になるとかでなければ、 これだけでも 十分。 まだ 最初の方しか 読んでいないが。 世の中を見る目が変わる。 (言い過ぎ?) 何事も 基礎が大事。 ・・・すげえ。 分かると めちゃめちゃ楽しいぞ、これ。 名著と言って過言では...
-
2021年の大河ドラマは、渋沢栄一を扱っていたが、蚕を飼って桑の葉を食べさせているシーンがあったが、蚕を飼うということは、最終的に絹を作って、輸出するということだから、既に世界的な市場と繋がっていて、本を辿れば、あの時代に既に農家も貨幣経済に部分的に組み入れられていたということ。...
-
もし、日銀が目的としている2%の物価上昇が実現した場合、国債の発行金利が2%以上になるか、利回りが最低でも2%以上になるまで市場価格が下がります。なぜなら、実質金利 (名目利子率-期待インフレ率) がマイナスの (つまり保有していると損をする) 金融商品を買う投資家はいな...
0 件のコメント:
コメントを投稿