2024年10月16日水曜日

「金融と社会」質問と回答その6

質問:ケインズ経済学では、中央銀行が利子率を下げることにより、投資を喚起しようとしますが、日本経済がこれほど利子率を下げても投資が喚起されないのは、そもそもリスクを取って投資をしようという意欲が弱いからでしょうか?あるいは、そもそも投資の需要が弱いのでしょうか?  回答:企業投資の要因は、利子率(資本コスト)以外にもいろいろあり、ケインズの場合は「アニマル・スピリット」を強調しました。心理面も含めて、日本の企業投資が低迷した原因を分析した論文として、花崎。羽田「企業の投資行動の決定要因分析 : 投資の多様化の進展と内部資金の役割」財務省財務総合政策研究所「フィナンシャル・レビュー」平成 29 年第 4 号(通巻第 132 号)を紹介します。難しい論文ですが、「はじめに」「主要な結果とその解釈」だけでも読んでみてください。 https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12514362/www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list7/r132/r132_03.pdf なお、『経済財政白書』などによると、去年、今年と金利が少し上昇したにもかかわらず、企業投資が好調のようです。https://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html#keizai

lo stato (再掲:部分)

 以下『世界の名著45 ブルクハルト』(中央公論社 1966年)所収「イタリア・ルネサンス文化」より。  歴代の教皇とホーエンシュタウフェン家との戦いは、ついにイタリアを、他の西欧諸国とはもっとも重要な諸点において異なるような、一つの政治状態の中に取り残した。フランス、スペイン、...