2023年8月12日土曜日
ルカーチ メモその12
誤解の意味するのは、
我々の
知るとおり、
美的受容者が
作品体験において
作品の
「真の」
内容を
受け入れる
ことでもなければ、
作品の
内的構造を
見通す
というような
ことでもない。
そうではなく、
受容者自身の
体験のもつ
諸要因は、
原理的に
伝達不可能で
比較できない
性質であるが、
そのような
体験の要因から、
ひとつの
閉じた世界が
生ずる、
そして
これを
受容者が作品として、
すなわち
自分から独立した
ものとして
体験する、
このことである。
この作品は、
受容者には
意識されない
仕方で、
彼固有の
体験内容と
彼固有の
体験の質を
もっている。
そこで、
この作品は
受容者にとっては、
自分にこそ
対応した、
そして
自分をこそ
充足させてくれる、
そんな
ユートピア的現実を
意味する。
157ページ
登録:
コメントの投稿 (Atom)
漱石、アドルノと「自然」を巡る考察
倫理的自発性(おのずから)の構造と媒介された自然:夏目漱石の「自然」感とアドルノの『自然史』に関する比較考察 I. 序論:近代における自発性と人工性の弁証法 1.1. 研究目的と対象範囲の明確化 本研究は、夏目漱石の小説『それから』の主人公代助が追求した「自然」(じねん)の概...
-
日本の家計国際投資、財政、経常収支の相互関係に関する深掘り分析 I. はじめに:日本のマクロ経済構造における家計国際投資、財政、経常収支の相互関係 本レポートの目的と分析の視点 本レポートは、日本の家計による国際投資の動向が、国の財政の持続可能性および経常収支に与える影響について...
-
日経新聞の 終面に、 「蛇でつながる世界」 と 題して、 古今東西の 蛇にまつわる 美術品を 通して、 その寓意を探る、 という 連載をやっていて、 頭の中で 放送大学の 「原典で読む日本の思想」 (賴住光子) の中の記紀神話と、 「精神分析とユ...
0 件のコメント:
コメントを投稿