ルカーチ メモその27
ヘーゲルにあっては、
死を恐れず戦った
勝利者である
<主人>
は
自立した存在であり、
死を恐れて敗れた
<奴隷>
の労働を享受している
かのようである。
しかし
実のところは、
奴隷の労働に
依存してしか
主人はありえない。
それに対して奴隷は、
労働を通して
自己対象化を
行ない、
労働の生産物によって
自己実現を果たす。
そして
つねに
さらされる
死の恐怖によって、
自己の生命への
執着から
抜け出てゆく。
このようにして、
主人が自由と
自立性を
失い、
奴隷がそれを
獲得してゆく、
という
逆転が起こる。
この
<弁証法>
の
奴隷の立場に、
ルカーチは
プロレタリアートを
置くのだが、
その際に
<物象化>概念
が
重要になるのだった。
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