2023年8月12日土曜日

ルカーチ メモその27

ヘーゲルにあっては、 死を恐れず戦った 勝利者である <主人> は 自立した存在であり、 死を恐れて敗れた <奴隷> の労働を享受している かのようである。 しかし 実のところは、 奴隷の労働に 依存してしか 主人はありえない。 それに対して奴隷は、 労働を通して 自己対象化を 行ない、 労働の生産物によって 自己実現を果たす。 そして つねに さらされる 死の恐怖によって、 自己の生命への 執着から 抜け出てゆく。 このようにして、 主人が自由と 自立性を 失い、 奴隷がそれを 獲得してゆく、 という 逆転が起こる。 この <弁証法> の 奴隷の立場に、 ルカーチは プロレタリアートを 置くのだが、 その際に <物象化>概念 が 重要になるのだった。 305ページ

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