2023年4月28日金曜日
日本人への警鐘 「ローマ帝国衰亡史」下巻 訳者解説より
ローマ人は
もともと
質実剛健で、
勇武の民でした。
建国以来の領土拡大は、
そのことを
如実に物語っています。
また、
かれらは多神教であり、
宗教的に寛容でした。
さらに、
人種的偏見も
少なかったようです。
くわえて、
実利的な考え方をしていた
民族でした。
そのため、
かれらの間には、
どの民族の出身であれ、
優秀な者は
これを
活用するという
風潮がありました。
以上のような
民族性により、
ローマはしだいに
発展、拡大していったのです。
しかし、頂点にあることが
長く続けば、
だれであれ、
その地位がもたらす
影響を
うけないはずはありません。
国家の興亡、
家門の盛衰、
いずれにおいても、
歴史はこのことを
示しています。
ローマ人にしても
同じです。
すなわち、
みずからを
元来優れた民族であると
思い込み、
悠久の昔から
そうであったかのように
現在の地位を
当然とみなし、
ひるがえって、
周辺の蛮族を
蔑視したのです。
およそ蔑視は油断をうみ、
油断は
情報の欠如をもたらします。
その結果、
あらたな事態への
対応を
稚拙なものにします。
同時に、
油断は
訓練をおこたらせ、
みずからの力を
相対的に低下させます。
蛮族がもつ
潜在力をみくびり、
しかるべき
対応ができなかったのも、
もとはと言えば、
そうした
ローマ人の傲慢さに
起因するものでした。
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