2023年3月19日日曜日
日本が喪ったもの
「敗戦にいたるまで国土に固有の曲率を与えていたのは天皇の存在であった。だが、天皇が『われ 神にあらず』と表明したときから、天皇の像は国土に曲率を与える重力の中心からゆっくりと落下していく。重い力は天皇から無言の死者たちに移動する。聖なるものはむしろ死者たちであり、天皇もこの死者たちの前に額ずかねばならない。この死者たちはその痛ましいまなざしによってしか力をもたないとしてもである。それゆえ戦後社会が天皇とともに超越的なものを失ってしまったというのは正しくない。そこには報われぬ死者たちというひそかな超越があり、天皇は皇祖神を祀るだけでなく、この無名の超越者を慰霊する司祭として、ゆるやかな超越性を帯びるからである。」137ページ 国土論 内田隆三 筑摩書房
登録:
コメントの投稿 (Atom)
lo stato (再掲:部分)
以下『世界の名著45 ブルクハルト』(中央公論社 1966年)所収「イタリア・ルネサンス文化」より。 歴代の教皇とホーエンシュタウフェン家との戦いは、ついにイタリアを、他の西欧諸国とはもっとも重要な諸点において異なるような、一つの政治状態の中に取り残した。フランス、スペイン、...
-
日本の家計国際投資、財政、経常収支の相互関係に関する深掘り分析 I. はじめに:日本のマクロ経済構造における家計国際投資、財政、経常収支の相互関係 本レポートの目的と分析の視点 本レポートは、日本の家計による国際投資の動向が、国の財政の持続可能性および経常収支に与える影響について...
-
日経新聞の 終面に、 「蛇でつながる世界」 と 題して、 古今東西の 蛇にまつわる 美術品を 通して、 その寓意を探る、 という 連載をやっていて、 頭の中で 放送大学の 「原典で読む日本の思想」 (賴住光子) の中の記紀神話と、 「精神分析とユ...
0 件のコメント:
コメントを投稿