2022年9月22日木曜日
思想史講義【大正編】 ちくま新書
天皇機関説事件だけど、
穂積・上杉説
にしても、
美濃部説、
ひいては
現在の憲法学のように、
国家の実存を感じられないような
漠然とした理論よりも、
「国体」なんていう概念的なものじゃなくて、
みんなで天皇をワッショイワッショイして、
まるでお祭りのように、
日本という国が、
まさに
ここにあるじゃないか!
という「実感」を
伴った理論のほうが、
パンピーにはウケる、
というのも、
現在の日本人に照らしても、
わかりやすい。
この「実感」を
伴った国家観は、
ヘーゲル主義とも親和的に感じられる。
美濃部説と親和性の強い
現在の憲法学では、
日本という国家を実態として
感じる、ということはないだろう。
アリストテレスの「善き市民として生きる」という
発想にしても、
それは
古代ギリシャ都市としての国家観であり、
現代の日本人は、
やはり
なんとなく
ハッキリしない
もやもやした
日常の中を生きる以外ないのだろう。
その中で、
勝ち組だの負け組だの、
社会化された人間の、
原始的な欲求を日々満たしながら、
人生を送らざるを得ないのかも知れない。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
lo stato (再掲:部分)
以下『世界の名著45 ブルクハルト』(中央公論社 1966年)所収「イタリア・ルネサンス文化」より。 歴代の教皇とホーエンシュタウフェン家との戦いは、ついにイタリアを、他の西欧諸国とはもっとも重要な諸点において異なるような、一つの政治状態の中に取り残した。フランス、スペイン、...
-
日本の家計国際投資、財政、経常収支の相互関係に関する深掘り分析 I. はじめに:日本のマクロ経済構造における家計国際投資、財政、経常収支の相互関係 本レポートの目的と分析の視点 本レポートは、日本の家計による国際投資の動向が、国の財政の持続可能性および経常収支に与える影響について...
-
日経新聞の 終面に、 「蛇でつながる世界」 と 題して、 古今東西の 蛇にまつわる 美術品を 通して、 その寓意を探る、 という 連載をやっていて、 頭の中で 放送大学の 「原典で読む日本の思想」 (賴住光子) の中の記紀神話と、 「精神分析とユ...
0 件のコメント:
コメントを投稿