2022年9月18日日曜日

人間にとって貧困とは何か (放送大学放送授業)

めちゃくちゃ面白いね。 まだ第一回の授業を聴いただけだけど。 自分は、金銭的には 貧困とは無縁の暮しをしているけれども、 もしかしたら 精神的には「貧困」な暮しを していた、あるいはしている、 のかも知れない。 社会と産業コース 人間と文化コース を卒業して、 消去法で 生活と福祉コース に再入学したけど、 はっきり言って、 生活と福祉コースをナメてた。 とてつもなく 大きな 未開拓地が広がっている。 特別な前提知識を必要とすることなく、 貧困のみならず、 公衆衛生や社会保障論など、 幅広い分野の知見を得られるようだ。 いやー 放送大学すげーな。 「地元最高!」 という漫画も、 地元最高、といいながら、 それは貧困の裏返しでもあり、 相互扶助、連帯、という、 一見聞こえの良い ワードが、 実は 束縛であり、不自由であり、さらには、 「呪縛」 でもある、という 極めて 現代的なテーマを如実に顕している。 https://www.youtube.com/watch?v=V6Dfo4zDduI

15 件のコメント:

  1. うん。面白い。貧困を語るって、往々にしてサヨク的で独善的な語りになりがちだし、かといって、統計だけで語っても、中身のない空疎な議論になってしまう。そこを十分意識しつつ、積極的に意識を語りながらも、極力バイアスのかからない語りが展開されているのは、クオリティー高い。こういう語りが出来る先生を引っ張ってこれる放送大学も、すげえな。

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  2. 深いわ。根深い。もしうちも貧困世帯で、公立しか選択肢がなかったら、自分の人格さえも今とは全く違ったものになっていたかも知れない、と思うと、ゾッとする。貧困について独りでここまで語れる人はそうはいない。

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  3. アリストテレスによれば、人は自分の人格について、自分で責任を負わなければならない。なぜなら、自分の人格は数々の自らの選択の帰結として形作られるものだから、だそうです。去年だったかな?茨城大学の面接授業で聞いた。でも、自分の人格って、出会う人によっても、もちろん環境によっても左右されるし、何から何まで自分で責任を負えるはずはないんだが、かといって、全部外的要因のせい、って言うのも、問題があると思う。

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  4. なんだろう、麻布競馬場の小説、つっても実質1話しか読んでないんだけど、って、頑張ってないふりしてめちゃくちゃ頑張って、それでもセカンドベストの結果しか得られなかったのに、省エネで最高の人生を手に入れたように見せかけて、その実、気付いたらやっぱり単なる人生ゲームの駒に過ぎなかった自分に気付いて絶望する、みたいなところがある気がする。しかも、それを、自嘲気味に語りながらも、でもみんなそうでしょ?と言いつつ、なかば死にたくなるほど絶望してる。

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  5. ボードレールにとって、現代的な人間とは、自己自身の発見、自らの秘密および自らの隠された真理の発見へと向かう人間ではない。 現代的な人間とは、自分自身を自ら創出する人間のことなのだ。 現代性は、「人間をその固有の存在へと解き放つことはない」。 現代性は、人間を、自分自身を作り上げるという使命に縛り付けるのである。 (379ページ) (中略) <現在>のこうしたアイロニカルな英雄化、現実的なものを 変容させるために現実的なものと取り結ぶ自由の戯れ、 自己の禁欲的な練り上げ、 ボードレールはそれらが社会自体のなかで、 あるいは政治体のなかで 成立しうる、 とは考えていない。 それは、他の場所でしか起こりえないのであり、 その場所こそ、 ボードレールが 芸術と呼ぶものなのである。 (380ページ)  フーコー・コレクション6 ちくま学芸文庫 より

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  6. やっぱり、貧困を語ると、どうしても決定論的にならざる得ない。

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  7. すっげえ!めちゃくちゃ面白い!!!!あまりに面白いから、一気に第5回まで聴いちゃったけど、すごいスケール感だ!貧困、という教育が目を背け続けてきたテーマから世の中を見ると、全然見えてなかったものが、モロ見えてくる!!!!

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  8. 一晩寝てから、起きてすぐ第6回の授業を視聴したけど、朝っぱらからぶっ飛んでますな。まさに教養。

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  9. もう第8回を視聴し終えた。でも疲労感はない。

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  10. 第9回 貧困と友人関係。 秋葉原殺傷事件の元死刑囚の話から始まって、郊外の「同中(オナチュウ)」文化に話を転じ、最後に再び元死刑囚の孤独へと立ち返って、講義が終了。なかなか見事だった。社会学ってこういうもんか。元死刑囚の話なんかも、ありきたりな言説が溢れているところ、一旦郊外のオナチュウ文化を挟むことで相対化し、忘れかけたところで立ち戻って来ることで、重層的で深みのある議論となっている。

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  11. やっぱり、自分も、大抵の困難は自分自身で解決しなければならない、という信念を隠れ蓑にして、社会の暗部を見て見ぬ振りをしていたのかも知れない。というか、見えてなかった。

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  12. この「人間にとって貧困とは何か」は、導入科目だけど、専門科目にカテゴライズされた科目との対比では、導入科目というネーミングは、いかにも初歩的な、というニュアンスがありながら、それを見事に裏切る深さがあり、なおかつ、そうであるからこそ、これから「生活と福祉コース」の科目群を勉強する学生にとって、これ以上ない導きとなっている。

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  13. 第11、12、13回の講義は、それぞれ「グローバリゼーションと貧困」1、2、3でした。どこかで聴いたことがある話や、目新しい話もありました。

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  14. 第14回 見える貧困、見えない貧困。 いわゆるホームレス問題ですが、本来英語でホームレスと言った場合、日本でいわれるそれよりも広範で、ネットカフェ難民なども、本来はホームレスと呼ぶべきだそうです。それは、本来英語では云々ということではなくて、そういう日本でかつて浮浪者と呼ばれていたような、ネットカフェ難民のような、「定住しないもの」を搾取する構図が、ホームレスを搾取する構図とまったく変わらないからだそうです。

    この授業を聴いてると、それこそ新卒で企業に就職しないと、一生不幸な人生を送らざるを得ないかのような感覚に囚われる。

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  15. 全15回視聴した。かなり充実した内容でした。面接授業が始まる前に聴けて、良かった。ごちそうさまでした。

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曽根崎心中 (再掲)

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