2022年3月9日水曜日

ベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」軽くまとめ

仏教、キリスト教、あるいはイスラムが、数十ものさまざまの社会構成体において数千年にわたって生き続けてきたこと、このことは、これらの宗教が、病い、不具、悲しみ、老い、死といった人間の苦しみの圧倒的重荷に対し、想像力に満ちた応答を行ってきたことを証明している。(p.33) マルクス主義をふくめおよそすべての進化論/進歩主義的思考様式の大きな弱点は、そういった問いに対し苛立たしい沈黙でしか答えないことにある。同時に、宗教思想は、さまざまのやり方で、一般的には運命性を連続性(業、原罪など)へと転化することで、不死をもあいまいに暗示する。こうして宗教思想は、死者とこれから生まれてくる者との連鎖、すなわち再生の神秘に関係する。(p.33) なによりもまず西欧において、一八世紀がナショナリズムの夜明けであるばかりか、宗教的思考様式の黄昏でもあったからである。この啓蒙主義の時代、合理主義的世俗主義の世紀は、それとともに、独自の近代の暗黒をももたらした。宗教信仰は退潮しても、その信仰がそれまで幾分なりとも鎮めてきた苦しみは消えはしなかった。(p34) そこで要請されたのは、運命性を連続性へ、偶然を有意味なものへと、世俗的に変換することであった。(p.34) 国民の観念ほどこの目的に適したものはなかったし、いまもない。(p.34)

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