極めて危険な理屈

ちょっと議論が錯綜しているが、プライマリーバランスを棚上げにして、名目成長率が名目金利を上回ってさえいれば、対GDP比政府債務残高は発散しないかのようなことが書かれているが、下の投稿でプライマリーバランスの意味を確認すれば、まずプライマリーバランス均衡を実現したうえで、名目成長率と、名目金利がそれ以下であれば、対GDP比政府債務残高は発散しない、という考えとの認識の差が存在する。 リンクの記事は、今は日銀が、政府が国債を発行したそばから買い取ってくれるから、名目金利は必ず名目成長率を下回るから、財政出動をすべきだ、と言っているが、もう一度その前提を確認すべきなのではないか。 リンク記事の著者の言うことが正しければ、どんなに国の借金が膨大でも、中央銀行が政府の赤字国債を全部買えば、名目金利は必然的にゼロになり、したがって財政出動を続ける限り、名目成長率が名目金利を上回るために、どんな状況でも国は破産しない、という極論を、一般論として展開しているに等しい。 極めて危険な理屈だ。 https://diamond.jp/articles/-/297170 https://diamond.jp/articles/-/297169

コメント

このブログの人気の投稿

夏目漱石とアドルノ:「それから」を題材に (再掲)

参政党のビジョンと、「報われぬ死者たち」

人口動態