2022年3月4日金曜日

中立命題

財政支出を課税により現在決済しようと,国債を発行して将来に決済を延期しようと,国民の経済厚生に変化はないという命題。いま人口が変化せず,すべての国民に同額の所得税の減税をするとともに,減税分と同額の国債を新規に発行するケースを考えよう。この経済では,国民の保有する国債という資産の価値と,国債償還のための費用とは同率で増加するために,国民の消費の時系列は影響を受けない。リカード(D. Ricardo)が主張し,近年,バロー(R. J. Barro)ら合理的期待学派によって,公債の中立命題として再定式化されたもの。 有斐閣経済辞典第4版 上の中立命題が示唆することは、長い目で見れば、ケインズ経済学的な財政出動は、意味がない、ということになる。もっとも、ケインズ自身が、そんな長い目で見たら、我々はみんな死んでいる、と反駁したわけであるが。とはいえ、確かに、戦後の日本が財政赤字を垂れ流し続けた結果がこの有り様だから、中立命題のいうことも、もっともなことだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

曽根崎心中 (再掲)

愛という感情が日本の歴史上にも古くから存在していたことは、 源氏物語にも書かれていることで、わかる。 しかし、 日本の宗教観念には、愛を裏打ちするものがない。 改行(節目節目で改行がある方が効果的。以下、同じ。) 曾根崎心中は、 男が女郎をカネで身受けしようとするが、...